イギリス空軍(RAF)は2021年8月5日(木)、「オペレーション・シェイダー」での任務を終えた「セントリー AEW. Mk1」がワディントン空軍基地に帰還したと発表しました。「セントリー AEW. Mk1」は、ボーイング707-320B型をベース機とした早期警戒管制機(AWACS機)のE-3Dセントリーです。この機体は、「ZH101」「ZH103」と見られ、この帰還で30年間に及ぶ運用から退役します。
最後の任務は7月30日(金)、キプロス島のアクロティリ空軍基地を拠点に対ダーイッシュ作戦の一環で、イラクでの作戦任務でした。「ZH101」「ZH103」は2015年にアクロティリ空軍基地へ前方配備されていました。
セントリー AEW. Mk1/E-3Dセントリーは1991年、RAFの情報収集・警戒監視・標的補足・偵察(ISTAR)任務機として導入。湾岸戦争の航空作戦を支援するため、すぐに実戦配備されました。 これ以降、セントリーは、イラク、アフガニスタン、リビア、中東、カリブ海など、NATOと協力しながら作戦に参加してきました。
セントリーAEW. Mk1は、2021年末に完全退役する予定です。この機種の更新として、2023年にロジーマス空軍基地にボーイング737-700型をベースとしたE-7ウェッジテイル/AEW Mk1偵察機に更新される予定です。セントリー退役からウェッジテイル配備までの期間は、NATOのE-3セントリーと、RAFの他の航空機を組み合わせて運用を補完する計画です。
なお、イギリスに帰還したセントリーとは異なる機体ですが、アメリカ海軍はRAFセントリー AEW. Mk1を1,500万ドルでの購入と、E-6Bマーキュリーのパイロット用訓練機とする計画を発表しました。アメリカ国防総省が6月30日(水)に発表済みです。
イギリス空軍のセントリー購入により、アメリカ海軍航空システム・コマンド(NAVAIR)はE-6のパイロット訓練で民間航空機のリース、任務機を使用することなく、訓練に専念できる機体を確保します。NAVAIRは、2023年10月までに導入を計画。これにより、E-6Bマーキュリーは年間の飛行時間を600時間、着陸回数を2,400回減らすことができ、重要な作戦に集中できる環境が整います。