【あの日あの機体】JAL「JA8119」、御巣鷹山に墜落と安全への取組

【あの日あの機体】JAL「JA8119」、御巣鷹山に墜落と安全への取組

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1985年8月12日18時56分ごろ、ボーイング747SRの機体記号(レジ)「JA8119」で運航された羽田発伊丹行きJAL123便が御巣鷹山に墜落、乗員・乗客520名の尊い命が犠牲となりました。航空機の単独事故では現在でも史上最悪の犠牲者を生み出した事故原因は、機体後部圧力隔壁が破壊、客室内の与圧空気が機体尾部に噴出し、補助動力装置(APU)や機体後部の脱落、垂直尾翼の破壊、そして動翼を動かす油圧装置を作動できなくなったことでした。

この圧力隔壁の破壊が発生した原因は、「JA8119」が墜落する7年前に大阪(伊丹)空港着陸時に尾部を接触する事故(しりもち事故)で、ボーイングが手がけた後部圧力隔壁の上下接続作業に不具合があり、微小の疲労亀裂が伸長し、墜落する当該便で一気に破壊が進んだとされています。

こうした事故はあってはならないものの、万一発生した場合には、運輸安全委員会による徹底した調査が行われます。調査は、事故の過失を問うものではなく、原因や因果関係を紐解き、それを教訓として航空の安全の実現に向けた改善が積み上げられてきています。「JA8119」の事故では、しりもち事故時の修復作業が万全ではなかったこと、航空機の主要構造部への変更が実施された作業後に必要な点検が実施されていたことも問題視され、こうした場合の管理体制をしっかり行うことが求められる体制になっています。

また、日本航空(JAL)は「安全啓発センター」を設け、JALグループの安全を実現する研修施設として活用。事故の悲惨さだけでなく、いかに安全運航を堅持するか考える施設で、一般向けにも見学者を受け入れています。ただし、「安全啓発センター」は現在のコロナ禍の環境で受け入れを中止しています。日本の航空の安全を考える時や航空会社への就職を考えている方も、必ず訪れたい施設です。

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