航空路管制の空域上下分離、西日本で2022年度スタート

航空路管制の空域上下分離、西日本で2022年度スタート

ニュース画像 1枚目:航空路整備事業 <航空路管制の空域上下分離>
© 国土交通省 航空局
航空路整備事業 <航空路管制の空域上下分離>

国土交通省航空局は、2022(令和4)年度予算の概算要求で、2015年から進めている国内の航空路再編事業に288億円を投じる計画です。2021(令和3)年度と同額の要求です。2022年度は、再編事業でも大きな変更となる空域の上下分離を開始します。

上下分離とは、巡航中の「高高度空域」と、上昇降下する「低高度空域」の2つに分け、管制の処理機数増加や処理効率の向上を実現します。巡航・上昇・降下と空港周辺の処理が混在し、管制処理が複雑化しており、日本の上空を通過する国際線の増加も見込まれていました。このため、長期的に保安・通信施設を含めた抜本的な再編が進められていました。

これまでは札幌・東京・福岡・神戸の4管制部が、それぞれ担当の空域を空港周辺から上空の高高度まで全て管理していました。2022年度は、神戸管制部が「西日本低高度空域」、福岡管制部が「西日本高高度空域」を担当し、西日本の空域を上下分離します。東日本は2025年度に上下分離する予定で、これにより再編事業は一段落します。

上下分離を目指した新管制情報処理システムの導入も進められており、2022年度予算は東日本の空域で上下分離を実施するための航空路管制卓や遠隔対空通信施設の整備などに充てられます。

上下分離の管制は、ベルギー、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグで各国が低高度、EU機関のユーロコントロールが高高度を管制する運用が採用されています。

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