エアバス、ワシが舞い上がる時の羽をイメージした主翼開発へ

エアバス、ワシが舞い上がる時の羽をイメージした主翼開発へ

ニュース画像 1枚目:主翼デモンストレータープロジェクトで使用するセスナ・サイテーションVIIと装着する主翼 イメージ
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主翼デモンストレータープロジェクトで使用するセスナ・サイテーションVIIと装着する主翼 イメージ

エアバスはCO2排出量の削減、持続可能な航空燃料や水素での運航など次世代技術への対応、脱炭素に向けた取り組みとして、主翼を改良する2つのプログラムを展開しています。1つはセスナ・サイテーションVIIの実機を利用した高性能の主翼デモンストレータープロジェクトで、「ワシが舞い上がる時の羽」をイメージし、主翼を変形させることが想定されています。現在、B-1ランサーなど軍用機に採用されている可変翼は、主翼の翼根を起点に前後に動かすことで形状を変更していましたが、エアバスは主翼を動かすのではなく、主翼形状そのものを飛行中に変化させるコンセプトを打ち出しています。もう1つは「Wing of Tomorrow」と名付けたプログラムで実寸大で主翼プロトタイプを製造し、新技術を試験する取り組みです。

実機サイテーションVIIを使用するプログラムは、飛行段階に応じて主翼の形、翼長、翼幅、表面を変化させることで、飛行効率の向上を目指しています。主翼についてこれまでの技術的な積み上げを1つづつ確認する試験で、突風センサー、気流に対して垂直方向に変形するポップアップ式スポイラーまたはプレート、飛行中に主翼表面を変化させるための多機能の後縁フラップなど、さまざまな技術が検討されます。

ニュース画像 1枚目:イギリスで勧められる主翼研究プロジェクト「Wing of Tomorrow」
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イギリスで勧められる主翼研究プロジェクト「Wing of Tomorrow」

「Wing of Tomorrow」では、最新の複合材料と新技術を試験するだけでなく、コロナ・パンデミック後に増加が予想される将来の需要を満たすため、翼の製造プロセスを改善する方法を探究します。すでに実寸大で主翼プロトタイプを3つ製造に着手。1つはシステム統合の研究で使用、2つめは、コンピューターモデリングと比較する構造テストに使用、3つめは生産拡大の試験用として組み立てられます。この主翼プログラムはヨーロッパ各国のエアバス関連企業と共に、主にイギリスで実施されます。およそ100超の新たな技術を集め、新たな製造や組み立て技術を研究します。

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