地中海を航行するイギリス海軍の空母「クイーン・エリザベス(R08)」に、イタリア空・海軍のF-35BライトニングIIが初めて発着艦しました。これを前にイタリア海軍の軽空母「カヴール(C-550)」にアメリカ海兵隊とイギリス空軍のF-35Bが発着艦しました。「カヴール」は、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦のいずも型に近い全長の甲板を備えていますが、スキージャンプ台を備えています。
演習はシチリア島の南東の海空域で3つのフェーズに分けて実施されました。第1フェーズでは、空母「クイーンエリザベス」からアメリカ海兵隊のF-35Bの2機が「カヴール」に着艦。その後、イタリア空・海軍のF-35Bが「カヴール」から発艦し、「クイーン・エリザベス」に着艦。最後にはイギリス空軍が編隊をまとめ、イタリア空・海軍、アメリカ海兵隊のF-35Bが編隊飛行しました。
「クイーン・エリザベス」に搭載するイギリス空軍、アメリカ海兵隊以外の国籍の戦闘機が着艦したのは、イタリア空・海軍が初めてです。イタリアは北大西洋条約機構(NATO)の加盟国として、また3者共通のF-35Bを運用する部隊として連携を深める目的で、共同演習が実施されました。今回のクロスデッキ演習により、イギリス、イタリアの双方の艦艇への離着陸により相互運用性を高めることにつながります。
イタリア空軍はすでにF-35Aを導入・運用しており、イタリア空・海軍でF-35Bの導入も進めています。F-35Bの運用により、空軍と海軍の相乗効果を狙い、飛行場だけでなく海上からの発着艦により対応できる空域や任務の拡張に取り組んでいます。