エアバスが開発を進めているA321XLR型機の飛行試験機が、ハンブルク工場で最終組み立てに着手しています。製造番号(MSN)は「11000」のキリ番が充てられました。今後、飛行試験と型式証明プログラムを進め、2022年には飛行試験と量産機の製造、2023年には定期便での運航開始を予定しています。
A321XLRの最終組み立て作業に向け、2020年半ばからヨーロッパ各地で構造部品の製造が開始されていました。そのうち、中央と後部胴体はハンブルクで製造、主翼はイギリスのブロートンから運び込まれ、その2つが接合されています。このほか、サフランから着陸装置が納入されているほか、垂直・水平尾翼もすでに取り付けられています。
A321neoファミリーで胴体が最も長く、長距離を飛行するA321XLRは、製造場所としてハンブルクが選定されており、飛行試験機は初号機を含め3機製造予定です。残る2機の製造番号は、「11058」「11080」が割り当てられ、完成に向けて着々と作業が進められています。
A321XLRは長距離を飛行するため、センターウイングボックス(CWB:中央翼ボックス)と後部燃料タンク(RCT)の搭載が、A321neoファミリーの中でも大きな違いです。CWBとRCTはより多くの燃料を搭載でき、最大離陸重量(MTOW)を増やし、着陸装置などが強化されています。
今後は、CFMインターナショナルのLEAPエンジンの搭載、ナセルの装着を行い、着陸装置の格納、ドアフェアリングのテストを経て、機体の全体的な品質検査と続きます。さらに塗装を経て、飛行制御、エンジン、APUとすべてのシステムを地上で試験し、2022年に予定されている初飛行に向けて準備が進められます。