フィンエアーは2022年春、エアバスA350型とA330型と長距離路線2機種の客室を全面リニューアルします。ビジネスクラスとエコノミークラスはリニューアル、さらに新たにプレミアムエコノミー搭載により、機内を全面的に刷新します。このリニューアルにあたり、フィンエアーは4年をかけて計画。コロナ禍で厳しい状況ながら、総額2億ユーロ(約264億円)で顧客の搭乗体験の向上に投資します。リニューアルは2年をかけて実施し、3月に改めて投入路線などを発表します。
リニューアルにあたり、ビジネスクラスシート「エアラウンジ(AirLounge)」はコリンズ・エアロスペースと、初導入のプレミアムエコノミーシート「ベクター・プレミアム(Vector Premium)」はHAECOキャビン・ソリューションと、それぞれ共同開発しました。両クラスとも、これまで連携してきたフィンランドを代表するデザインブランド「マリメッコ」のテキスタイルを機内の随所に採用しつつ、長距離飛行でもくつろげる空間作り、プライベート感、快適さなどを確保。機内でフィンランドを感じられる要素の「マリメッコ」は、新しいテキスタイルとしてビジネスではの枕、薄い掛け布団・デュベなどの寝具、プレミアムエコノミーではネックピローやブランケットなどに使用します。
また、ビジネス・プレミアムエコノミーに先駆け、全てのA330、A350の3機のエコノミークラスのシートをリニューアルしています。新しいシートはHAECO製で軽量化されたシートになり、燃費向上につながります。利用者にとっては収納スペースが増え、USB-A/Cの接続、12インチと大きくなった機内エンターテインメント(IFE)画面でフライト中に過ごすことができます。このほか、A350の16機は一連のリニューアルに合わせた新シートカバーに変わり、機内エンターテインメントも新仕様になります。
なお、新たな客室を装備する機数はリニューアルが完了する2025年時点で、エアバスA350が19機、A330が8機、計27機です。フィンエアーは2025年までにA350新造機を2機、加える予定です。A350は客室仕様が2タイプあり、ビジネスクラスを多く搭載する仕様と、エコノミークラスを多く搭載する仕様があります。ビジネス・レジャー需要それぞれの多さや時期によって柔軟に投入路線を使い分けができます。また、A330は、A350と比べエコノミークラスが多い仕様になっています。
■機材別のシート構成機種 | ビジネス | プレミアム エコノミー | エコノミー | 合計 |
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A350-900 (A) | 43 | 24 | 211 | 278 |
A350-900 (B) | 30 | 26 | 265 | 321 |
A330-300 | 28 | 21 | 230 | 279 |
仕様/サービス | ビジネス | プレミアム エコノミー | エコノミー (新シート) |
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座席配置 | 1-2-1 | 2-4-2 | 3-3-3 |
通路アクセス | 全席通路側 | 1列計8席中4席 | 1列計9席中4席 |
シートピッチ | - | 38 インチ | 31 インチ |
リクライニング角度 | 8 インチ | ||
モニター | 18インチ | 13インチ | 12インチ |
ヘッドフォン | ノイズキャンセリング 機能付き | ノイズキャンセリング 機能付き | - |
電源 | USB A&C | USB A&C | USB A&C |
機内食メニュー | 6種 | 3種 | 3種 |
アルコール | ワインなど各種 | ビール・ワインなど各種 | 機内食と同時に提供 (有料で追加購入可) |