A350塗装剥離問題、カタール航空とエアバスの主張 一部ずつ認められる

A350塗装剥離問題、カタール航空とエアバスの主張 一部ずつ認められる

ニュース画像 1枚目:カタール航空 A350-1000
© Qatar Airways
カタール航空 A350-1000

カタール航空は、エアバスA350型の塗装剥離について、ロンドン高等法院の判断を歓迎するとコメントを2022年5月26日(木)付で発表しました。本格的な裁判の前に、ロンドン高等法院が早期解決に向けた判断をくだしたものです。カタール航空に有利な判断が一部でだされたものの、エアバスの言い分も取り入れ、それぞれの主張を一部で退ける判断を示しています。現段階で最終的な結論に至っておらず、本格的な法定の場で争われる見通しです。

ロンドン高等法院の第1の判断は、A350の表面の塗装剥離について3カ月間のトライアル実施と、エアバスがその結果を共有することを求めています。カタール航空は、試験と結果の早期開示により、A350に影響を与える表面劣化の本質へ洞察が得られると、歓迎しています。

高等法院の判断は、これに加えてカタール航空が受け入れを拒否している製造済みのA350について、カタール航空が主張した裁判を別々に実施するのではなく、エアバスの主張に沿い、同一の裁判で進める判断を示しました。この契約関連は、有効と判断され、エアバスはカタール航空が必要な支払いを済ませなかったことの損害賠償を請求できます。また、現段階でエアバスはカタール航空に製造済みのA350を納入継続が許可され、必要に応じてその機体を転売することも認められました。

エアバスの試験とその結果の開示、カタール航空は契約を遵守せずに購入の支払いを一部、履行していません。双方とも主張は譲らず、引き続き裁判所に判断を委ねています。また、ロンドン高等法院の判断から、一方の主張がすべて通るという全面勝利はなさそうで、相互に譲りながらの妥結となっていきそうです。

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