三菱重工グループの三菱重工航空エンジン(MHIAEL)は、愛知県小牧市の整備工場でプラット・アンド・ホイットニー「PW1100G-JM」エンジンの初回整備が完了したことを明らかにしました(顧客非公表)。同工場では、30年以上にわたって「PW4000 (777やA330など)」エンジンおよび「V2500 (A320シリーズやMD-90など)」エンジンの整備を行なってきました。新たに、エアバスA320neoシリーズに多く採用される「PW1100G-JM」エンジンの整備能力を追加し、日本国内での整備を可能とします。
「PW1100G-JM」エンジンは、日本・アメリカ・ドイツ、3か国の5社による国際共同開発エンジン。2014年に型式証明を取得し、日本では全日本空輸(ANA)が保有する、A320neoおよびA321neoに搭載されています。従来のエンジンとは構造が変更された最新の「ギヤードターボファン(GTF)」エンジンとして、大幅な燃費向上と騒音低減を実現。世界でもA320neoシリーズのシェア拡大により運航数が非常に多く、日本で整備拠点を確保できることは、エアラインにとっても大きなメリットとなります。
「PW1100G-JM」エンジンは、離陸時にスラストレバーを操作し回転数を上げる「スプールアップ」の音が独特で、航空(エンジン音)ファンから人気のあるエンジンです。