バニラ・エア、成田のカーフュー逆手にするスケジュール 支持得られるか

バニラ・エア、成田のカーフュー逆手にするスケジュール 支持得られるか

バニラ・エアは2013年12月20日から就航、その機材カラーや客室乗務員の制服など、同社のイメージを発表しました。航空券販売は11月1日からで、運賃額は現在発表されているもので8,000円からと、目玉運賃は未発表。これから予約するにあたって、発表されている成田発着で那覇、台北線で運航開始、1月下旬に新千歳線3月に仁川線の就航とそのスケジュールから、機材運用などを見ながら、旅程を組むに当たっての注目ポイントを探してみました。

バニラ・エア 機体デザイン

■機材運用と運航スケジュール

就航当初に2機を導入するとしていますが、投入は1機ずつ。まず、12月20日の就航から那覇、台北線の2路線に就航し、1日1往復便ずつ。この1機で2路線を運航し、12月28日から2機体制となります。これにより、成田/那覇線が1日3往復に増便されます。

注目は1月29日の増便。ここで3機体制となり、新千歳線を就航します。この時点で台北線を増便。この台北線はJW105便が成田を22時20分発、帰着のJW106便が台北発3時、成田着7時10分のスケジュール。

成田空港では規制が一部緩和され、やむを得ない場合は対象外となりますが、23時から翌日6時まで、発着を規制するカーフューが存在。これまでの運用は「成田に戻る」という発想でスケジュールが組まれ、エアアジア・ジャパン、さらにジェットスター・ジャパンも同様。

バニラ・エアはこのカーフューを逆手に取り、成田を23時までに「出発する」というスケジュールを組み、夜間も機材を活用し、格安航空会社(LCC)では生命線となる機材稼働率を高める試みに取り組みます。こうしたスケジュールを成田を拠点にする日本の航空会社が組むのはバニラ・エアが初めて。

■LCCで頻発する遅延便への対応は?

JW105便は新千歳から成田に21時35分に戻るJW906便と同じ機材を使うと見られます。このJW906便の成田帰着から、ターンアラウンドは45分。万一、JW906便が玉突きで遅延した場合、台北発成田着、那覇発成田着がいずれも22時予定と、この便を運航するため、2機のバックアップ体制も整えられそう。

成田22時発の「夜行便」は2014年3月15日に5機目導入で、成田/那覇線にもJW807便が成田22時10分発、帰着のJW808便は那覇発5時40分が組まれています。

バニラ・エアの命運の1つはこの2便の定時で運航、さらに運航率も高くキープできることにかかるとも言えそう。さらに利用者の支持を得る必要があります。

■就航セールの注目は、成田/台北線のJW105とJW106便!

この「夜行便」はLCCを利用して、お得に、最大限に時間を有効活用してフライトする場合、利用者の立場からも注目のスケジュールでしょう。成田空港は羽田と違い、アクセスに時間はかかるものの、この時間帯であれば都心を19時から20時ごろに出発すれば良く、鉄道、バスなど移動手段も選択でき、「仕事帰りに台北へ」も十分に実現可能です。

帰着もカーフュー時間帯の6時以降で、成田着が7時10分。ただし、台北発が3時に間に合うためには、節約なら台北で23時台の最終のバス、ギリギリまで遊びたいならタクシーを使うということになります。バスなら空港で多少の待ち時間、タクシー利用なら、少し予算が多くなることになりますが、格安価格であれば納得できそう。

ハードなスケジュールを組むなら、帰着日にそのまま仕事ということも。金曜日に出発、月曜日に仕事という土、日で台湾満喫というスケジュールを組むことができます。成田/那覇線は那覇発で月曜日の早朝は運航が組まれていないため、台北線と同じ旅程は組めませんが、「仕事帰りに那覇へ」は十分に可能です。

セールではこうした点からも、LCCで競合の少ない成田/台北線のセール運賃は注目でしょう。

■まとめ

機材運用から、カーフューを利用して成田を22時台に出発するスケジュールは成功するか。機材を最大限に活用するLCCらしいスケジュールが成田発着で初めて組まれたスケジュールは注目です。

ただ、利用者からすると、体の負担も少なくないだけに、その「対価」というか「代償」となる衝撃的な「就航セール」が期待されるところです。バニラ・エアのテイクオフが順調になるか否か、命運を握りそうなスケジュールですが、やはり運賃も大事。しばらくは時刻表をにらめっこして、どの便を利用して楽しむか、じっくり考えましょう。

バニラ・エア 客室乗務員

■バニラ・エアの運航スケジュール
<2013年12月20日~12月27日 就航時 (1機目)>
JW801 成田 06:45 / 那覇 10:05
JW802 那覇 10:35 / 成田 13:05
JW103 成田 14:00 / 桃園 17:05
JW104 桃園 17:50 / 成田 22:00

<12月28日増便分 (2機目)>
JW803 成田 08:40 / 那覇 12:00
JW804 那覇 12:30 / 成田 15:00
JW805 成田 15:30 / 那覇 18:50
JW806 那覇 19:30 / 成田 22:00

<1月29日増便分 (3機目)>
JW901 成田 08:00 / 新千歳 09:45
JW902 新千歳 10:20 / 成田 12:05
JW903 成田 12:35 / 新千歳 14:20
JW904 新千歳 15:10 / 成田 16:55
JW905 成田 17:30 / 新千歳 19:15
JW906 新千歳 19:50 / 成田 21:35
JW105 成田 22:20 / 桃園 01:25
JW106 桃園 03:00 / 成田 07:10

<3月1日増便分 (4機目)>
JW201 成田 07:05 / 仁川 09:50
JW202 仁川 10:35 / 成田 12:50
JW205 成田 13:20 / 仁川 15:55
JW206 仁川 16:45 / 成田 19:00

<3月15日増便分 (5機目)>
JW807 成田 22:10 / 那覇 01:30 (日、運航なし)
JW808 那覇 05:40 / 成田 08:10 (月、運航なし)
JW203 成田 08:45 / 仁川 11:30
JW204 仁川 12:15 / 成田 14:30
JW207 成田 15:15 / 仁川 18:00
JW208 仁川 18:55 / 成田 21:10

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