国土交通省航空局は2011年6月4日に発生した北海道エアシステム(HAC)の函館発奥尻行きHAC2891便に関連した立入検査を受け、業務改善勧告をHACに対しておこなった。勧告内容は安全運航の体制と運航乗務員の技量管理の徹底が柱。
安全運航では、HAC2891便で着陸時に不具合が発生した直後、会社に報告されていたが、会社が調査、分析に着手しなかったことを問題視。機体点検などもなく運航されていたことを重くみた。さらに、重大性の認識、航空局への報告も適切でないとしている。
また、運航乗務員の技量管理では、技量の維持、向上のための定期的な審査、評価に対応した訓練が不適切、また訓練の成果が評価されていないと認定。このため航空局ではHACの運航乗務員の管理が適切に機能していない恐れがあるとして、一連の技術、技量の訓練と定期的な審査を適切におこなうよう指導している。
なお、勧告では7月29日までに書面で改善について報告することを求めている。
HAC2891便は2011年6月4日午前11時26分ごろ、函館発奥尻行きで奥尻空港で着陸復行操作を行い、SAAB340B型3号機のエンジンに制限を超える負荷がかかった可能性がある。運輸安全委員会が重大インシデントと認定している。