羽田空港の発着枠、現行の滑走路で増枠が可能 飛行経路に都心上空も

羽田空港の発着枠、現行の滑走路で増枠が可能 飛行経路に都心上空も

国土交通省は成田、羽田の2空港を中心とした首都圏空港の国内線、国際線発着回数は、2022年度から2027年度に処理能力を超過する見込みとして、羽田、成田の両空港をフルに活用する方策、横田飛行場、百里飛行場(茨城空港)など、首都圏周辺の空港の有効活用について、想定される課題を整理しました。

このうち、羽田空港について、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催前までに現行の滑走路4本で増枠がかのうとしています。これは滑走路処理能力を再検証したもので、現在の飛行経路と滑走路運用で空港処理能力を拡大する方策で、1時間80回を82回に増やし、年間では約1.3万回の増加が可能と試算しています。

さらに、東京湾を最大限に活用している現在の飛行経路、滑走路運用に加え、東京都心など内陸部上空も活用した新たな飛行経路案を検討しすると、1時間あたり82回から90回にまで増やすことができ、年間ではおよそ2.3万回から2.6万回の増加枠が見込めます。

ただし、これらの方策を実施するには、騒音発生源対策、出発、到着機数の組み合わせなど、空港周辺地域の理解、協力を得ることが必要だとしています。また、現行の滑走路と新たな飛行経路を組み合わせた場合、新たに航空保安施設の設置、離着陸機増加に対応するための駐機場、誘導路、旅客ターミナルビルなど規模の検証、整備の検討が必要でとしています。

また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック以降の空港処理能力の拡大には、滑走路増設が考えられるとしていますが、飛行経路の見直しも必要としています。また、内陸部上空を飛行する場合、より広い範囲で騒音への影響が想定され、管制、航法について技術向上の状況を踏まえた検討が必要となるほか、関係自治体、海運、港湾、漁業関係者の理解、協力が必要となるなど課題が多いとしています。

メニューを開く