三菱航空機、アジアにセールス拠点 MRJ100のローンチは引き続き検討中

三菱航空機、アジアにセールス拠点 MRJ100のローンチは引き続き検討中

ニュース画像 1枚目:初飛行と同様に離陸できるか。セールスはこれからが正念場
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初飛行と同様に離陸できるか。セールスはこれからが正念場

三菱航空機は2015年11月11日(水)、同社が開発を手がけているMRJ90、機体記号(レジ)「JA21MJ」の初飛行を終えた後の記者会見で、セールス強化の方針を示しました。同社は現在、ローンチカスタマーとなる全日空(ANA)からMRJ90を確定15機、オプション10機、日本航空(JAL)からMRJ90、またはMRJ70を32機、アメリカのスカイウエストが確定、オプションで100機ずつ、最大200機、トランス・ステーツ・ホールディングスから確定、オプションを50機ずつ、最大100機、イースタン航空から確定20機、購入権20機、エア・マンダレイが確定6機、購入権4機、計407機を受注しています。

すでに発注済みの航空会社は日本、アメリカ、ミャンマーと3カ国の航空会社で、セールス拠点を設けているヨーロッパからの受注はありません。こうした状況で、ヨーロッパの航空会社から関心があるとされる100席クラス、MRJ100の開発について三菱航空機の森本浩通社長は「ヨーロッパ、日本、その他の国でも100席クラスが欲しいというところもある。ただし、この投入時期は、まだ検討中で申しあげる段階に無い」とパリ・エアショーでの発言と大きく変わることはありませんでした。

初飛行の実現で「すぐに受注できればいいが、そうではない」と森本社長は現実を直視しつつ、「顧客に説得力を持つことができ、これを励みに受注活動をしたい」とも話し、セールス活動に力を入れる考えです。特に、セールス体制は、「アジアの成長性を考えると、足繁く通う拠点を設けたい」と日本以外で顧客に近いアジア地域のセールス拠点を設ける考えを示しました。

三菱航空機では、以前からリージョナル機の市場の半分を取りたいと意欲的で、現在のオプションを含む400機超の受注機数は目標には達していません。このため、アジアでの航空需要の伸びの勢いを取り込む狙いです。こうした中で、リージョナル路線でニーズやルール上からアメリカより、ヨーロッパ、さらにアジアでセールス活動と共にMRJ100のニーズも探ると見られます。

購入を決めているANA、JALとも「美しい機体」と表する「ニッポンのモノづくり」の集大成と言えるMRJですが、意欲的な販売機数の達成、さらに充実した派生系をそろえるには、これからが正念場となりそうです。

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