広島空港、将来の課題は訪日需要の取込みやLCC就航の取り組みなど

広島空港、将来の課題は訪日需要の取込みやLCC就航の取り組みなど

広島県は2015年12月3日(木)、第1回空港活性化部会を開催し、その課題として急増する訪日需要の取込みが全国水準と比較すると不足していること、LCCの就航への取組みの遅れ、貨物がピークの4分の1となる中での対応をあげました。一方で、仙台線は好調に推移しており、国産ジェット機のMRJの開発が進み、地方間を結ぶ路線に投入されることから、新たな期待が生まれているとしています。

空港活性化部会は、広島空港の将来像や今後の運営のあり方について検討する会合で、広島空港の民営化も視野に入る中で、その現状と課題を共有し、今後の方向性を議論するものです。課題などは事務局を務める広島県空港振興課がまとめました。

広島空港の利用者数は2002年の344万人がピークで、これ以降は漸減傾向で、2014年はおよそ270万人です。国内線は羽田線が約8割、国際線を含めた全体で約7割の利用者があり、利用者の中心です。このため、アシアナ航空の事故以降、羽田線は前年比割れが続いていたものの、10月にはその状況が解消されました。

課題の1つにあげられているものは、広島県の人口減少が続く中、リニア新幹線の影響で国内の移動、一方でアジアの旅客需要の増加と訪日旅行の増加が見込まれている中での対応です。格安航空会社(LCC)が急成長する中、広島空港の取り組みが遅れ、全国と比較し、訪日需要、LCCの就航の取り組みに遅れがあるとしています。LCCは春秋航空日本のみですが、成田線では効果があること、さらに訪日旅行はチャイナエアラインの増便、香港ドラゴン航空や香港エクスプレスの就航で路線拡充や訪問者の増加に期待はあるものの、他地域と比べると増加率は低い状況です。

こうしたなか、国内線チャーター便が増加しているほか、仙台線も利用者数が増加し、1996年、1997年は広島空港の国内線が10路線、旧広島西飛行場とあわせ最大19路線が展開されていたことから、採算の取りやすい国産旅客機MRJの開発で、再び地方間路線が採算性のある市場として注目されつつあるとも指摘しました。

また、空港の二次交通についても都市圏、比較的長距離のアクセスが必要で直行リムジンバス、自家用車など道路系アクセスが中心となり、その所要時間の短縮、定時性の確保など利便性の向上が重要な課題としています。

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