ANA、JALへのデリバリーはどうなる?-787の複合材剥離より

ANA、JALへのデリバリーはどうなる?-787の複合材剥離より

787の機体後部で構造補強材の取り付けに問題あり、炭素繊維複合材と剥離する兆候があると日本の主要メディアが紹介しています。また、デリバリー済みの機体は全日空(ANA)が安全を確認した、問題が発覚した炭素繊維の部分は日本企業が製造に関わっていないことも伝えられています。

この情報元の航空専門誌「Flightglobal(フライトグローバル)」が伝えた問題の3機は、現在、製造ラインの56、57、58の3機。これは最も新しく組立てられた、または組み立てている段階の機体。このうち56は全日空(ANA)行きで、57と58はカタール航空行きの機体で、これ以外の機体に同じ問題があるとしても、ボーイングでは787の機体改修作業に取り組んでいる最中。作業工程は増えると予想されますがデリバリー前で大きな問題にはならなそう。

気になるとすれば、2月中旬に予定されているANAの「JA806A」をはじめ、JALの「JA822J」、「JA825J」で、これは特に念入りな確認をしてほしいところ。さらにJAL向けの機体はこの複合材の剥離よりも気になるののがエンジンの問題。

JALの787はGEnx-1Bエンジン搭載では初めてのデリバリーになります。ブログ「ALL THINGS 787」によると、GEnx-1Bエンジン搭載機は2月6日、最後の実用飛行試験(F&R:Function and Reliability Flight Test)とETOPSがやっとスタート。複合材に関連する問題も大切ですが、JAL向けの機材はデリバリー前にこのF&RとETOPSをクリアしなければなりません。

ANAに初号機が導入された後も787のデリバリースケジュールは遅れが発生し、国際線の運航計画も予定通りには動いていません。果たして、JALは発表している国際線に787を無事、計画通りに投入できるか?これから1ヶ月、787のデリバリーのスケジュールも注目です。

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