せとうちSEAPLANESの機体損傷事故、うねりを横切る離水滑走が影響

せとうちSEAPLANESの機体損傷事故、うねりを横切る離水滑走が影響

運輸安全委員会は2018年2月22日(木)、せとうちSEAPLANESの水陸両用機のコディアック100が大分県別府市沖で波の影響による事故が発生した件について、調査報告書を公表しました。

この航空事故は2017年3月24日(金)、機体記号(レジ)「JA02TG」が別府市沖を離水しようと滑走中に波の影響で中止し、桟橋へ引き返したものです。その際、機体損傷が確認されています。桟橋到着後の機体点検では、水面に浮かぶフロートと胴体を結合する支柱が折損、また胴体の損傷も発見されています。この事故に伴う死傷者などはありませんでした。

報告書で事故は、離水滑走中にバウンドし、接水する際に強い衝撃を受け、機体が損傷したものと推定しています。機体のバウンドは、機長が風浪とうねりのある海域でうねりを横切る形で離水滑走を行い、機首の上下運動が発生し、加速とともにその振幅が大きくなったものとみています。

せとうちSEAPLANESは再発防止策として、アメリカの水上機運行会社から教官を招聘し、操縦士と運航管理担当者を対象にうねりなど荒波での運航について研修を実施、加えて研修内容を反映した社内文書の発行で周知を図りました。運航時には、うねりの状況を慎重に見極めること、機長はうねりの可能性について事前に情報収集と運航管理担当者が機長の情報収集を支援することとしています。さらに、訓練要領を改定し、うねりについて座学訓練に加えました。

メニューを開く