航空局、航空従事者の飲酒基準を呼気濃度は0.09mg/lに設定

航空局、航空従事者の飲酒基準を呼気濃度は0.09mg/lに設定

ニュース画像 1枚目:中間とりまとめで提示された飲酒量と体内アルコール濃度等との関係資
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中間とりまとめで提示された飲酒量と体内アルコール濃度等との関係資

国土交通省航空局は2018年12月25日(火)、操縦士の飲酒に関する基準について、11月と12月に開催した「航空従事者の飲酒基準に関する検討会」での結果を踏まえ、中間とりまとめを公表しました。

中間とりまとめでは、飲酒に関する数値基準を血中濃度が0.2ミリグラム/リットル(mg/l)、呼気濃度は0.09mg/lに設定しました。乗務前8時間以内の飲酒を禁止するほか、乗務前後におけるアルコール検査と検査時の不正を防止する体制も義務化します。

経営者を含む全関係職員に対し、アルコール教育の徹底、依存症患者等の早期発見・対応に向けた体制を整備します。このほか、航空局への報告対象としてアルコールに関する不適切事案を追加、安全統括管理者の責務に飲酒対策を明確化しています。

今後の取り組みを確実、かつ継続的に実施するため、航空局によるアルコール検査の実施や立ち合い、アルコールの危険性や影響をまとめた教材の配布など、各航空会社を支援します。

航空局はすべての運航乗務員に対する乗務前の飲酒に関する基準の強化、アルコールに関する教育の徹底など至急講じるよう求めていましたが、2019年1月3日(木)にANAウイングスの運航乗務員が飲酒に伴う乗務員交代による運航便の遅延が発生しました。

これを受け、航空局は同種事案の連鎖を断ち切る狙いから、関係者全員がアルコール問題は安全問題であること、自らの問題ととらえた自己管理の意識を高める追加的な措置を検討し、飲酒対策を強力に進めるよう改めて指示する文書を発出しています。この中で、全航空会社に基準の策定を待たず、検討会での基準案を参考に飲酒対策を進めるよう指示しています。

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