新型コロナウイルスに「熱」が効果あり!? アメリカ空軍研究所

新型コロナウイルスに「熱」が効果あり!? アメリカ空軍研究所

ニュース画像 1枚目:C-17を利用して調査
© U.S. Air Force photo/Richard Eldridge
C-17を利用して調査

アメリカ空軍研究所(AFRL)は2020年6月9日(火)、新型コロナウイルス(COVID-19)を不活化するため、「熱」が有効と暫定的な結果を明らかにしました。AFRLは任務現場において技術面で優位に立つシステム提供を目的に研究開発を進めている部門です。

軍用機への脅威を取り除くため、多くの基地で使用されている設備や器材のみで新たなウイルスへの対応を目指しました。実験はC-17グローブマスターIIIを使用し、機内の内部温度を上昇させ、ウイルス性物質を「殺傷」できるか調査しています。温度を上昇させるヒーターは、すべての空軍基地に設置され、暖房用に一般的に使用されています。

5月に実施された試験は、6時間かけて周囲よりおよそ10度高い温度に加熱し、アルミニウム、シリコン、ナイロンウェビングなどの表面でウイルスを無効化することに十分な効果を示したと言及しています。

C-17機内には効果を測定する各種センサーや測定機器も配置し、丁寧に機体を密閉状態にした上で、グラウンドヒーターからホースを機内に引き込み、加熱しました。今後もAFRLはテストを実施し、6時間未満の加熱時の効果、周囲の湿度や温度条件の影響を調べる方針です。

航空機に対する熱消毒は、AFRLがすでに生物学的な航空機除染システム(JBADS)として開発しています。これは機体全体を覆い、60度以上で加熱する手法ですが、JBADSは軍施設でも一般的に利用できるソリューションでは無いとし、AFRLはCOVID-19に対して新たな手法の研究を進めています。

また、AFRLは熱消毒以外にも、航空機の安全性を確保するため、一般的な石鹸や家庭用洗剤、紫外線、イオン化などさまざまな手法で安全性を確保する研究を進めています。

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