帝人の炭素繊維、A320neo主翼スポイラー部材に採用

帝人の炭素繊維、A320neo主翼スポイラー部材に採用

ニュース画像 1枚目:A320neo
© AIRBUS
A320neo

帝人の炭素繊維「テナックス」を使用した中間材料が、エアバスの主力機A320neoの主翼スポイラー部材に採用されました。この主翼スポイラーは、スピリット・エアロシステムズがA320neo向けに製造するイギリスのプレストウィック拠点で生産されます。

採用された部材は「テナックスDry Reinforcements Non-Crimp Fabrics(DRNF)」と「テナックスDry Reinforcements Braided Fibers(DRBF)」です。テナックスDRNFは、炭素繊維の束を一方向に並べシート状にしたものを、さまざまな角度に積層し、バラバラに分かれないようポリエステル、ナイロンなどの糸で縫い付けています。表面が滑らかで、樹脂がシート上で均一に浸透しやすく、航空機向け高性能熱硬化プリプレグと同等の物性を有する特長があります。

テナックスDRBFは、炭素繊維原糸を三つ編み構造の組紐状にしたもので、高い伸縮性があり、部品に生じる空間を埋めるフィラー材の役割を果たします。炭素繊維シートを配置した後、樹脂を注入し、硬化させる成形時にオートクレーブ成形と比べ、生産性やコスト効率などが優れ、採用に至りました。

これまでも炭素繊維「テナックス」は、A380の一次構造材、各機種の二次構造材、中間材料がA380やA350の一次構造材用に採用され、帝人の製品が安定した供給実績と品質が評価されています。

メニューを開く