777-300ERSF、いよいよ貨物専用機に改修へ

777-300ERSF、いよいよ貨物専用機に改修へ

ニュース画像 1枚目:IAIの改修作業ハンガーに運び込まれた「ビッグツイン」
© GECAS
IAIの改修作業ハンガーに運び込まれた「ビッグツイン」

GEキャピタル・アヴィエーション・サービス(GECAS)とイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)が開発を進めているボーイング777-300ER貨物機(SF)改修プログラムは、追加型式証明書(STC)の取得に向け、中間段階に到達しました。GECASが2021年4月13日(火)に発表しました。

777-300ERSFプログラムは、GECASとIAIが共同出資し2019年10月にスタート。プログラム開始からアメリカ連邦航空局(FAA)、イスラエル民間航空局(CAAI)の追加型式証明(STC)の取得まで3年の計画です。中間段階への到達で、実際の機体を改造する段階に入り、機体の改修には約4カ月から5カ月を要する見込みです。

改修する1機目の777-300ERは製造番号(msn)「32789」、現在の機体記号(レジ)は「N557CC」で、2020年2月までエミレーツ航空で旅客便に使用されていました。777-300ERSFのGE製エンジン2発の貨物改修機として、この機体には「ビッグツイン」と愛称が付けられています。IAIとGECASカーゴの共同チームが開発した貨物専用機向けキットの設計についてボーイングからライセンスを得ています。「ビッグツイン」はテルアビブのIAI施設で2021年6月末から、改造キットを使い試作機の改修を開始します。

「ビッグツイン」は2020年6月、予定より半年早くGECASからテルアビブのIAI施設に納入されました。IAI施設に引き渡し後、テルアビブからアメリカに向かい、カリフォルニア州のキャッスル飛行場、サンバーナーディーノ国際空港を拠点に地上・飛行試験を実施しました。テルアビブには2021年2月後半に戻っています。

777-300ER旅客機から貨物機への改修では、メインデッキ貨物ドアを追加し、貨物機の内部改修、旅客機の窓を閉じる窓栓、クルーコンパートメントの変更、貨物コンテナ搭載のため胴体の強化、22万2,000ポンドの搭載貨物を支えるフロア構造の変更、貨物エリアと乗員エリアを安全に仕切るリジッドカーゴバリアの設置などを予定しています。STC取得には、こうした改修部分の全てで民間航空当局の厳しい要求基準を満たす必要があります。

777-300ERSF「ビッグツイン」の改修機は、GE90エンジン4発の貨物機と比べ搭載量が25%増加し、1トンあたりの燃料消費量については最大21%削減が期待されています。STC取得後には、この「ビッグツイン」はローンチオペレーターのカリッタ・エアに納入され、20年間のリース契約の下、運航される予定です。

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