2015年初飛行組、三菱スペースジェットと対照的 ピラタスPC-24

2015年初飛行組、三菱スペースジェットと対照的 ピラタスPC-24

ニュース画像 1枚目:スイス・ジュネーブ上空で飛行するPC-24
© Pilatus Aircraft
スイス・ジュネーブ上空で飛行するPC-24

6年前(2015年/平成27年)の5月11日、スイスのピラタス初のジェット機PC-24型機が初飛行しました。2010年代前半から開発スタート。2015年5月に初飛行し、2018年2月に初号機を納入。そのおよそ3年後の2021年1月、納入機数100機目を達成しています。

PC-24は、客室の広さや快適性を確保しつつ、機体後部の大型貨物ドアを標準装備しています。乗客10人がゆったり搭乗できる小型ジェット機で、シートは個別に調整でき、機内にラバトリーも設置されています。フライト中にもアクセスできる手荷物エリア、ワードローブなどが備えられています。機能性では、初飛行時にもわずか600メートルほどで離陸し、その短距離での離着陸性能に優れています。

2015年に初飛行した機種としては、三菱 スペースジェット(SpaceJet:当時 MRJ)があります。こちらは多くの日本人が期待を賭けたものの、開発縮小に追い込まれています。旅客機とビジネスジェットは大きく違うため、比べるものではないものの、開発動向として明暗がはっきりとなっています。

同じ小型ジェット機の開発では、2015年に初号機が納入されたホンダジェットがあげられます。こちらは小型ジェットのカテゴリで世界一の納入機数を誇るまでに成長していますが、その初飛行は2003年で納入へ漕ぎ着けるまで12年、さらにその前の開発段階も考慮すれば多くの時間が費やされています。

ピラタスは1939年の設立。これまでPC-12などに代表されるプロペラ機を製造、その経験・ノウハウが注ぎ込まれ、STOL性に優れる機種という歴史・伝統を受け継ぐ初のジェットエンジン搭載機はこれまでのところ、開発に成功したと見えます。日本の航空機開発も年月を費やしながら完成機のノウハウ蓄積が必要なのかもしれません。

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