まるで爆破!? 34年ぶり空母の衝撃試験

まるで爆破!? 34年ぶり空母の衝撃試験

ニュース画像 1枚目:アメリカ海軍最新の空母ジョン・F・ケネディ、まるで爆破されたかの様な衝撃試験の1コマ
© U.S. Navy photo by Mass Communications Specialist Seaman Jackson Adkins
アメリカ海軍最新の空母ジョン・F・ケネディ、まるで爆破されたかの様な衝撃試験の1コマ

アメリカ海軍の最新フォード級空母「ジョン・F・ケネディ(CVN-79)」が2021年6月18日(土)、フロリダ沖で「フルシップ・ショック・トライアル(FSST)」と呼ばれる衝撃試験に臨みました。FSSTは艦の近くで対艦ミサイル、機雷、魚雷など実弾を爆破させ、船の機能やその耐久性を確認する試験です。空母を対象としたFSSTは、実に34年ぶりのことでした。角度によっては、まるで空母が爆破されたかの様な姿で、大きな衝撃波が印象的な試験です。アメリカ海軍によると、地震でいうマグニチュード3.9相当の衝撃が発生しました。

試験は可能な限り大きな爆発により、空母に搭載されたコンピューターシステムをはじめ、原子炉、各種センサーシステム、乗組員のサポートまで、艦内のあらゆる耐久性を検査します。爆破時に乗組員たちは通常と同様に業務にあたっており、衝撃に耐える必要があります。この試験実施にあたり、数キロメートルのケーブルが艦内に張り巡らされ、データを収集し、耐久性を検証します。

ニュース画像 1枚目:フルシップ・ショック・トライアルと呼ばれる衝撃試験、空母では実に34年ぶり
© U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Riley B. McDowell
フルシップ・ショック・トライアルと呼ばれる衝撃試験、空母では実に34年ぶり

アメリカ海軍は、これまでもFSSTを実施してきました。最近の事例では、2016年にインディペンデンス級沿海域戦闘艦「ジャクソン(LCS-6)」と「ミルウォーキー(LCS-5)」でFSSTが実施されました。空母でのFSSTは、1987年に実施した「セオドア・ルーズベルト(CVN-71)」以来、34年ぶりのことでした。

このFSSTは、2021年夏に終了する予定です。アメリカ議会でフォード級空母に対する試験が求められたことから実施され、フォード級空母1番鑑の「ジェラルド・R・フォード(CVN-78)」は予定より早くメンテナンスや改良を実施するためドッグ入りを予定しています。その改良などは、FSSTで得られた成果も取り入れながら、近代化改修、メンテナンスなどを経て、本格的に空母としてパトロール任務に就くとみられます。

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