ロシアのイルクートは2021年7月7日(水)、アヴィアドヴィガーテリ製PD-14エンジンを搭載した初のイルクートMS-21型の塗装を終え、作業を行ったウリヤノフスク・ヴォストーチヌイ空港からモスクワのジュコーフスキー空港にフェリーしました。胴体にはキリル文字表記「MC-21-310」で記されています。
機体記号(レジ)「73055」で登録されているMS-21-310は、イルクーツク・アビエーション・プラントでの組み立て後、2020年12月15日(火)に初飛行。試験飛行などを経て、ウリヤノフスクで塗装作業が進められていました。
MS-21は、2017年5月に「73051」が初飛行し、それ以降3機が加わり、飛行試験が実施されていましたが、プラット・アンド・ホイットニー製のPW1400G-JMエンジンを搭載機でした。これらの機体は、ロシアのウクライナ侵攻への対応として欧米諸国が制裁を発動しているため、開発が遅れています。このため、ロシア製エンジンの製造をはじめ、機体に使用する各種機器類もロシア製に置き換えが進められ、純ロシア製に近い旅客機に仕上がっています。
「73055」は今後、ジュコーフスキー空港を拠点に飛行試験プログラムを継続します。また、7月20日(火)から7月25日(日)までジュコーフスキー空港を主会場に開催されるロシアの航空見本市「MAKS-2021」にも展示される予定です。