第1海兵航空団で史上最長の自己展開飛行、HMLA-169のUH-1Yヴェノム

第1海兵航空団で史上最長の自己展開飛行、HMLA-169のUH-1Yヴェノム

ニュース画像 1枚目:三沢基地に到着したUH-1Yヴェノム
© U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Benjamin Ringers
三沢基地に到着したUH-1Yヴェノム

沖縄に駐留するアメリカ海兵隊は2021年7月14日(水)から7月24日(土)まで11日間の訓練移転で、1,200マイル、およそ2,000キロメートル(km)を超える距離を移動しました。第169海兵軽攻撃ヘリ飛行隊(HMLA-169)のUH-1Yヴェノムが自力展開の能力を確認しました。第1海兵航空団(1st MAW)の軽攻撃ヘリ飛行隊(HMLA)として、史上最長の自己展開飛行でした。

普天間基地から三沢基地の直線距離は、およそ2,035kmです。UH-1Yの航続距離はおよそ650kmで、少なくとも3回の給油などを何からの形で実施し、長距離移動を実現したとみられます。HMLA-169が1,200マイルを超えて展開することで、遠征前方基地作戦(Expeditionary Advanced Base Operations:EABO)を実行する能力が示されたことになります。

ニュース画像 1枚目:訓練に参加したAH-1Zヴァイパー
© U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Benjamin Ringers
訓練に参加したAH-1Zヴァイパー
ニュース画像 2枚目:MV-22オスプレイも参加
© U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Leon Redfern
MV-22オスプレイも参加

訓練移動には第36海兵航空群(MAG-36)の第262中型ティルト・ローター機飛行隊(VMM-262)、HMLA-169の参加が公表されており、MV-22オスプレイが4機、AH-1Zヴァイパーが3機、UH-1Yヴェノムが3機、CH-53Eスーパースタリオンが4機、人員は300名程度で訓練を実施しました。

UH-1Yヴェノムは、訓練移動で不慣れな環境での航空機能の統合、EABOの戦術、技術、手順を開発・改良することが目的の1つでした。EABOは近年、海兵隊が重視する作戦で、小規模の部隊が重要な海上拠点を制圧し、戦闘に備えた対艦・対空ミサイルや各種センサーの配備、航空機の給油地点の構築など制空・制海権の確立、敵勢力の海上進出を阻止する拠点構築の作戦です。この演習により、指揮統制、近接航空支援(CAS)から航空阻止、空中偵察、遠征支援などインド太平洋地域をカバーする任務の即応力が確認されました。

移動訓練を含む演習を通じ、航空機を使用した作戦展開がインド太平洋地域のあらゆる地域で可能なことをアメリカ軍が誇示。グアムのアンダーセン空軍基地では、F-22を展開し、この地域での航空勢力の能力を訓練を通じて示しています。

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