アメリカ海兵隊総司令官のデビッド・バーガー大将は、海兵隊F-35BライトニングIIを使い、2021年10月から11月ごろに海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦の甲板に着離艦する訓練を実施すると語りました。「いずも」の甲板には特殊な塗装を施す耐熱処理工事が夏ごろに施されたとみられています。このため、海兵隊のF-35Bを使ったヘリコプター護衛艦の訓練が実施される場合、「いずも」が使用されると見られます。「いずも」はさらにF-35B搭載に向けた改修が実施される予定ですが、甲板のみF-35Bによる使用は問題ないと見られます。
バーガー大将はアメリカ軍の他国との協力関係の中で、北大西洋条約機構(NATO)とは多国籍で情報共有や作戦を展開できるものの、インド太平洋地域ではオーストラリア、日本、韓国、フィリピンなど個別に情報を共有しており課題があるとの認識を示しています。
ただ、その状況も「クアッド」など日米豪印の連携などで変化の兆しがあると指摘。そうした中、イギリス海軍はアメリカ海兵隊のF-35Bを搭載する空母「クイーン・エリザベス(R08)」でインド太平洋地域にパトロール中で、バーガー大将はその動きを注視しているとコメントしています。こうした連携の一環として、海兵隊はF-35Bを海自ヘリコプター護衛艦での運用を位置付けている模様です。
なお、海自のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」はF-35Bの離発艦を可能とすることで、航空自衛隊がF-35Bを最大42機導入する計画が進められています。空自はその配備基地として新田原基地を最適地としており、海自のヘリコプター搭載護衛艦への搭載で、南西諸島への防衛力の向上をめざしています。