生まれ変わったA380を所有!!解体したエミレーツ初号機の部品販売へ

生まれ変わったA380を所有!!解体したエミレーツ初号機の部品販売へ

ニュース画像 1枚目:エミレーツ航空のA380初号機「A6-EDA」
© Emirates
エミレーツ航空のA380初号機「A6-EDA」

エミレーツ航空は2021年11月1日(月)、エアバスA380型の退役機でアップサイクリングとリサイクルプログラムを展開すると発表しました。販売される商品は、近く発表される予定です。売り上げの一部は、エミレーツ航空財団に寄付されます。このプログラムでは、エミレーツが導入したA380初号機の機体記号(レジ)「A6-EDA」が使用されます。航空機の歴史の一端を担った本来の役割を果たした空飛ぶA380の退役後、新たな商品に生まれ変わった商品を環境に優しく慈善活動に貢献しながら、所有する楽しみが生まれます。

このプログラムでは、従来の退役機の解体と異なり、環境への影響を考慮した解体が進められています。アラブ首長国連邦(UAE)のファルコン・エアクラフト・リサイクリング(Falcon Aircraft Recycling)と契約し、約190トンに及ぶ金属、プラスチック、炭素繊維複合材、その他の材料を航空機から搬出され、航空機で使用された材料からアップサイクリングプログラムを展開するウイングスクラフト(Wings Craft)が家具などとして特注品、または商品化します。

ニュース画像 1枚目:バーは家具として生まれ変わる予定
© Emirates
バーは家具として生まれ変わる予定

従来の解体は、退役機は砂漠などにフェリーされ、収益性の高いコンポーネントが取り外しされ、部品単体で市場で取引されます。この方法は、部品の売買に焦点が置かれているため、取り外しされた機体は数年単位で野ざらし状態となります。航空機には、安全対策として難燃性の布地、複合材料などリサイクルや廃棄が難しい素材もあり、埋め立てされても自然分解することは難しいものです。エミレーツはこうした状況を受け、埋め立てすることなく、歴史的な機体を活かす方法として、今回のプロジェクトを展開しています。

「A6-EDA」は2008年7月に導入され、同年8月1日にドバイ/ニューヨーク・JFK線で運航を開始。日本にも成田、関空の定期便で飛来したことがあるほか、名古屋(セントレア)でも離着陸したことがあります。最後の定期便は2020年3月8日のシンガポール/ドバイ線でした。離着陸した空港は62空港、運航した総便数は6,319便でした。

この機体は、エミレーツ航空のエンジニアリングセンターでエンジン、着陸装置、飛行制御コンポーネントなど再利用できるコンポーネントは回収されています。すでに機体登録も抹消されており、機体を分解するプロセスが始められています。この機体から作られた商品は、今後数カ月をかけて販売される予定です。

この記事に関連するニュース
メニューを開く