海上自衛隊向け川崎製P-1哨戒機が2021年9月7日(火)、滑走路を逸脱したインシデントに関連し、防衛省は飛行試験を再開する方針です。飛行中の安全性に関わるものではないとの見方を公表し、安全対策を講じた上で飛行試験を再開します。
9月に発生した事案は、防衛省・海上自衛隊に納入前のP-1「5533」が試験飛行で岐阜飛行場の滑走路上に着陸後、滑走路逸脱したものです。防衛省は、当該機は着陸後の地上で進行方向を制御できずに滑走路を逸脱しており、飛行中の安全性に関わるものではないとの考えを示しています。
海上自衛隊が運用してきたP-1哨戒機は、インシデント発生後も通常の任務に就き、安全な運用を続けており、不具合は発生していません。このため、(1)入念な点検・整備による機体の健全性の再確認、(2)万一、地上で同様の事態が発生した際の予防・対処手順の確立とパイロットへの教育、と2つの安全対策で対応し、これも終えました。
このため、P-1哨戒機は川崎重工での定期整備を経て、整備完了した機体は岐阜飛行場で飛行試験を実施します。さらに、川崎重工が製造を終え、海自へ納入前の新造機での飛行試験も、国土交通省から飛行許可を得て、同様の安全対策を講じて飛行試験を実施します。
P-1「5533」は、耐空証明が必要無い自衛隊機ですが納入前の試験飛行だったため、一般の試験機と同じく国土交通大臣の許可を得て飛行していました。このため、運輸安全委員会が事故原因の調査を進めています。