コロナ禍でも観光客OK、フィンエアー 週40便の2022年夏計画

コロナ禍でも観光客OK、フィンエアー 週40便の2022年夏計画

ニュース画像 1枚目:フィンエアー A350 (わんだーさん 2021年4月30日撮影)
© FlyTeam わんだーさん
フィンエアー A350 (わんだーさん 2021年4月30日撮影)

フィンエアーは2022年夏スケジュール、日本路線の運航便数を最大週40便、計画しています。他の航空会社と比べ多くの便数を計画する理由は、コロナ禍でも観光客を含め受け入れ続けてきたフィンランドの体制が背景にあります。コロナ禍で「サ道」や「ととのう」などの言葉に代表されるサウナ、さらにアウトドアブームを通じ、こうした文化が根付くフィンランドへの関心が少しずつ高まっています。日本から約10時間と、ヨーロッパで最も近い旅行先、旅行時間の短さ、便数の多さによるアクセスの良さとあわせ、コロナ後に人気が出てくるかもしれません。フィンランド政府観光局(Visit Finland)の沼田・日本支局代表、フィンエアーの永原・日本支社長に伺いました。

■フィンランド受け入れ状況

フィンランドは、2020年3月ごろからのコロナ・パンデミックを受け、世界各国と同じように入国規制を実施。ただし、規制解除は早く、2020年7月には目的を問わず証明書の提示なしで海外からの訪問者が入国できるようになりました。その後、コロナの感染状況の変化に合わせ、入国条件が変更されながら、現在に至っています。

ニュース画像 1枚目:ヘルシンキ空港 イメージ
© Finavia
ヘルシンキ空港 イメージ

オミクロン株出現以降、PCR検査が必須になり、日本発の場合は2022年3月13日(日)まで、2回のワクチン接種証明書をあわせて提示し、ビジネス・レジャーとも入国可能です。フィンランドの入国者動向を見ると、コロナ禍の影響で訪問者数は減少しています。それでも、フィンランドは日本と比べて入国しやすく、ドイツ、イギリス、イタリアなどヨーロッパ各国発の訪問者数は2020年に比べ、2021年は増加しています。

2018201920202021(速報値)
外国人入国者数3,224,1643,290,238895,577800,541
日本113,000119,10426,2015,816
ドイツ304,387313,13196,016106,105
イギリス229,992220,27252,41683,446
イタリア74,99181,56620,03031,299
フランス105,691119,64042,31841,827

フィンランドは海外からの旅行者受け入れを再開した2020年7月から徐々に観光客が戻り始めました。特に、ヨーロッパ各国からリゾート地に観光客が訪れ、日本の観光地とはやや異なる光景が展開されています。フィンランド政府観光局(Visit Finland)の沼田・日本支局代表によると、オーロラ鑑賞もできる北極圏のスキーリゾート・ロバニエミで、「ドイツ、イタリア、イギリスなどからの観光客がウィンタースポーツを楽しんでいた」そうです。旅行客の受け入れ体制は、コロナ前と同レベルの準備ができています。

ニュース画像 2枚目:ウィンターリゾートにはスキー・スノーボードだけでなく様々なアクティビティが用意されている
© Visit Finland
ウィンターリゾートにはスキー・スノーボードだけでなく様々なアクティビティが用意されている

■コロナ後はフィンランドが旅行の目的地に!

フィンエアーの永原支社長は、「コロナ後はこれまでよりもフィンランドを目的地とした旅行が増えるのでは」と予想しています。サウナやアウトドアなどでの過ごし方、広大な自然・衛生・環境とコロナ禍での価値観の変化から、フィンランドに目を向けるきっかけがあると永原氏は言います。「旅行の楽しみ方は周遊から1箇所の滞在が増えてくる」(永原氏)とも言い、フィンランドを楽しむ状況ができつつあると見ています。

ニュース画像 3枚目:自然に囲まれたフィンランドのサウナ
© Visit Finland
自然に囲まれたフィンランドのサウナ

ヘルシンキへの飛行時間は、成田から約10時間、最も新しい路線の新千歳から約9時間。新千歳発の国際線では、バンコクやシンガポールなど東南アジアへ向かう約7時間半と比較して検討できる目的地です。短い飛行時間は環境負荷が少なく、地球に優しい海外旅行が実現できます。

コロナ禍では、サウナ、アウトドアだけでなく、環境への関心も高まり、航空機による二酸化炭素排出への目も厳しくなっています。フィンエアーはこれまで、温暖化ガス排出の少ない最新鋭のエアバスA350型導入、フィンランドを拠点にするネステ社製造の持続可能な航空燃料(SAF)の積極採用などに取り組んでいます。こうした地球に優しい旅行にも、移動距離の少ないフィンランドは関心が高まる要素になると、永原氏は見ています。

ニュース画像 4枚目:ネステ社のSAFを搭載するフィンエアーのA350
© Finnair
ネステ社のSAFを搭載するフィンエアーのA350

■フィンエアーの日本での旅客便計画

フィンエアーはコロナ以前、ヘルシンキ発着の日本5路線を運航していました。成田、関西、名古屋、新千歳、福岡線で、コロナ禍でも成田線の運航を継続してきました。現在、多くの航空会社と同じく、国際貨物輸送で日本路線を維持しています。

2022年3月末からはじまる夏スケジュールは、日本の入国体制を受け、成田線をデイリー、関西線は週5便と夜間便を段階的に増便、名古屋(セントレア)発着は、5月に週3便で再開します。羽田線の開設時期は、2022年7月の予定です。永原・支社長によると、「成田、羽田、関西、名古屋の運航便を先行しつつ、レジャー需要の多い新千歳、福岡も戻していきたい」と、本社が決めた最大週40便まで便数を増やしたい考えです。

旅客便の本格的な再開を前に、フィンエアーはビジネスクラスの新シートやプレミアムエコノミー搭載を発表。4年をかけて計画してきたビジネスクラスのリニューアルと、新たに開発したプレミアムエコノミーのシートを投入し、アフターコロナの旅客に対応します。

ニュース画像 5枚目:新たに開発されたプレミアムエコノミーシート
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新たに開発されたプレミアムエコノミーシート
ニュース画像 6枚目:離陸前からくつろげるスペースに改良されたビジネスクラス
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離陸前からくつろげるスペースに改良されたビジネスクラス

新シートなどの運賃は、エコノミーと比べプレミアムエコノミーが15万円程度、ビジネスクラスが40万円程度、高くなる見込みです。旅行会社が宿泊施設と合わせて販売するツアーの場合は、これより手頃な価格で購入できると想定されます。久しぶりの海外旅行で少し贅沢な時間を過ごしたい場合は、お得なツアーを探してみることも選択肢になるでしょう。

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