ボーイング777X納入時期、2025年に延期 製造も2023年まで停止

ボーイング777X納入時期、2025年に延期 製造も2023年まで停止

ニュース画像 1枚目:Kentaslandさん 2019年8月8日撮影 N779XW ボーイング777-9 ボーイング
© FlyTeam Kentaslandさん
Kentaslandさん 2019年8月8日撮影 N779XW ボーイング777-9 ボーイング

ボーイングは、開発中の777Xについて初号機引き渡しを2025年に延期すると発表しました。最新の納入計画は2023年を予定していましたが、最新の計画はさらに2年遅れになります。開発が発表された2013年11月時点では2020年に初号機納入を予定していましたが、2022年、さらに2023年と延期が続いています。

777Xは、ボーイング777-9型と777-8型の2機種の開発が予定されています。このうち、777-9試験機が初飛行を済ませています。今回の延期は、型式証明の認定手続きや所要の条件等を満たすための対応です。この決定を受け、777-9の製造は2023年末まで停止します。停止により空く製造ラインを使い、好調なボーイング777貨物機の製造に対応する可能性があります。

ボーイングは、777Xプログラムとしては経済性と持続可能性のメリットがあり、成功を収める自信は揺らぐことないとし、延期により時間をかけて認証手続きを進める考えです。また、航空会社はコロナ禍により導入計画を見直しており、こうした状況も延期の背景にあると見られますが、発注済み機材の納入遅れでキャンセルの可能性もあります。777Xは全日空(ANA)をはじめ8社が発注、顧客名非公表の契約分を含め334機の受注を獲得しています。

なお、777Xの開発・量産事業では、三菱重工が後部・尾部胴体と乗降扉、川崎重工が前部・中部胴体と主脚格納部など、富士重工が中央翼・主脚格納部結合など、新明和工業が翼胴フェアリングの中・後部、日本飛行機が主翼構成品を担当。国内企業にも影響が予想されます。

■777Xの発注状況
ANA:20機
ブリティッシュ・エアウェイズ:18機
キャセイパシフィック航空:21機
エミレーツ航空:115機
エティハド航空:25機
ルフトハンザドイツ航空:20機
カタール航空:74機
シンガポール航空:31機
顧客名非公表分:10機

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