一般向け宇宙飛行の販売を手がけるヴァージン・ギャラクティックは、宇宙船「スペースシップ」を上空まで輸送する新たな母船(マザーシップ)を2025年に導入します。この次世代マザーシップの設計と製造は、ボーイングの子会社「オーロラ・フライト・サイエンス(オーロラ)」が担当します。マザーシップが更新される2025年は、新世代の宇宙船「スペースシップIII」による商業飛行も開始予定です。
マザーシップは、「スペースシップ」を高度約50,000フィート(地表から約15キロ)の成層圏まで運びます。一般的な飛行機の胴体が2つあり、その間に宇宙船「スペースシップ」を搭載する双胴機です。新たなマザーシップ1機が年間最大200回、2機で計400回と、現在のマザーシップ「ホワイトナイトツー」1機体制から、宇宙旅行を支援する体制が強化されます。
ヴァージン・ギャラクティックとオーロラは、現在のマザーシップ「ホワイトナイトツー」をベースに数カ月をかけて設計仕様、リソースなどの要件を確定しています。オーロラは今後、ミシシッピ州コロンバスとウェストバージニア州ブリッジポートの施設でマザーシップの製造を開始します。最終組み立ては、ヴァージンギャラクティック施設のあるカリフォルニア州モハベで行われます。
ヴァージン・ギャラクティックは現在、マザーシップ「ホワイトナイトツー」、宇宙船「スペースシップツー」で宇宙旅行を実現しています。ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長も2021年7月に、宇宙旅行を体験しています。なお、マザーシップは「ホワイトナイト」「ホワイトナイトツー」と発展してきており、「ホワイトスリー」と命名されるかもしれません。