アメリカ・モハーベを拠点に空中打ち上げロケットの開発を行う「ストラトローンチ・システムズ」は2023年5月25日、ヴァージン・オービット社が保有していたボーイング747-400型機を取得したことを明らかにしました。
空中打ち上げロケットの開発を行なっていたヴァージン・オービット社は、4月3日に米連邦破産法11条「チャプター11」の手続きを開始。ヴァージン・アトランティック航空で15年間運航していた「G-VWOW」を改造した打ち上げ機「N744VG (コズミック・ガール)」での、空中打ち上げロケットの開発を推進。また、航空自衛隊で運用されていた旧政府専用機「N7474C (20-1101)」「N7477C (20-1102)」の取得も目指していました。「N744VG」などを使用し、大分空港を宇宙港・スペースポートとして、人工衛星打ち上げの拠点とする計画も浮上していました。
「ストラトローンチ・システムズ」はすでに、空中打ち上げロケットの母機である極超音速試験機「スケールド・コンポジッツ ストラトローンチ (通称:ロック)」を運航中。5月13日には、分離試験機の切り離しに成功したことを明らかにしています。「ロック」は、6発のジェットエンジンを搭載。横幅約117mを誇り、世界最大のAn-225型機“ムリーヤ”や、ボーイング747-8型機よりも巨大な飛行機です。2つの胴体を繋ぐ中央部から、ロケットを打ち上げ(放出)させます。その奇抜な見た目から、一部航空ファンの間では「怪鳥」と呼ばれるなど話題となっています。
今後も「ロック」を主力機として、今回取得した747-400も2024年に運用を開始させ、開発活動を加速させたいとしています。