カンタス航空は、2025年後半頃に開設予定の世界最長路線へ投入する、エアバスA350-1000型機の客室仕様を新たに公開しました。これは実現に向けた「プロジェクト・サンライズ」の一環で、すでに3月にはファーストクラスとビジネスクラスの詳細を明らかにし、話題となっていました。今回はこれら上級クラスの更なる詳細と、プレミアムエコノミー、エコノミークラスを公開しています。
【“カンタス超長距離路線用A350”上級クラスの詳細記事:カンタス航空、超長距離路線運航へ!完全にホテルな「A350 上級クラス」公開】
40席設置されるプレミアムエコノミーと、140席のエコノミークラスは、同社史上最も広い座席間隔(シートピッチ)を設けます。座席には、人間工学に基づいたレッグレスト・フットレスト、タブレットホルダーと一体となった収納スペースが装備されています。このほか、高速充電ポートの設置や、無料の高速Wi-Fi、Bluetooth接続による個人用ヘッドセットの使用など、快適に過ごす空間を作りあげているとのことです。
プレミアムエコノミーとエコノミークラスの間、主翼後方あたりには“世界で初めて”となるフリースペース「ウェルビーイング・ゾーン」を設けます。「ウェルビーイング」とは、“Well-being”という概念で、心身が健康で幸福な充実した状態であることを表します。
この「ウェルビーイング・ゾーン」には、軽食や水分補給のスペース、壁面のモニターではガイド付きのエクササイズプログラム、ストレッチの際に使用するハンドルが設置されています。
同社では2019年に、社員約40人を乗せて超長距離便での実証実験を行いました。この実験では、睡眠パターン、食べ物や飲み物の消費状況、体内時計への影響などの健康状態を測定。超長距離便での機内の過ごし方について、様々な検証を行いました。これにより、特にエコノミークラスなどでは運動などのストレッチが推奨されることから、今回の「ウェルビーイング・ゾーン」設置となりました。
同社は既に、パース/ロンドン線(14,498km・所要時間およそ17時間)をボーイング787-9型機で運航しています。今後さらなる超長距離路線であるシドニー/ロンドン線(約17,000km)や、シドニー/ニューヨーク線(約16,000km)の運航に向けて、客室の居住環境を大幅に向上させ、「ホテルのような客室」を実現するとのこと。ファースト6席、ビジネス52席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー140席の4クラスで計238席を搭載。ファースト・ビジネスのプレミアムシートは全体の40%を占めるものの、プレミアムエコノミーとエコノミークラスでも快適に過ごせる空間作りを目指します。