ボーイングは2023年6月28日、サーブと共に開発中の「次期高等ジェット練習機」T-7Aレッドホークで、1時間3分の初飛行に成功しました。開発開始から36か月での達成となり、同社は開発を加速させるとしています。
ボーイングとサーブの共同技術・製造開発(EMD)契約フェーズでは、試験機5機を製造。前部胴体は、スウェーデン・リンシェーピングに所在するサーブ工場で製造され、後部胴体はボーイングが製造し、アメリカ・ミズーリ州セントルイスのボーイング工場で接合されています。今後、サーブ社はアメリカ国内(インディアナ州ウェストラファイエット)に生産拠点を設け、T-7Aを生産する計画です。
T-7Aレッドホークは、アフターバーナー付シングルエンジン、垂直尾翼が2枚のツインテール、スタジアムシーティング(後席を前席よりやや高い位置に配置)、先進コックピット、横開きのキャノピー、空中給油受油装置など最新鋭の装備を完備。現有戦闘機だけでなく、将来登場する次世代戦闘機のパイロット養成にも対応します。
ボーイングはアメリカ空軍から、351機の訓練機と、46台の訓練用シミュレータを92億ドルで発注済み。この新機種により、現在アメリカ空軍が使用しているノースロップ製T-38タロン練習機を更新する計画です。初期型のT-38Aタロンは、1961年に運用を開始。グラスコックピット化などで近代化(T-38C)されているものの、導入から60年以上経過し後継機の開発が進められています。
Tails of red fly overhead
— Boeing Defense (@BoeingDefense) June 28, 2023
The first T-7A #RedHawk soared through the sky completing its first flight with the @USAirForce. A U.S. Air Force pilot tested the red-tailed jet and demonstrated the power and agility of the advanced trainer. pic.twitter.com/PTcse79HWJ