航空自衛隊入間基地(埼玉県)で「令和6年度 入間航空祭」が2024年11月3日に開催され、約25万人の航空ファンが詰めかけました。ブルーインパルスや今年度で退役するC-1輸送機、EC-1電子戦訓練機の展示飛行など、盛りだくさんの内容でした。
注目を集めたのは入間基地所属の迷彩色のC-1と“カモノハシ”ことEC-1「機体記号:78-1021」、さらにC-1初号機の“銀ちゃん”「28-1001」も岐阜基地から参加し、C-1が勢揃いしました。そのほか、小松基地から北陸新幹線(E7・W7系)の特別塗装が施されたF-15戦闘機「52-8859」、百里基地からF-2戦闘機、U-125A救難捜索機、UH-60J救難ヘリコプター、静浜基地からT-7練習機が地上展示されました。さらに、海上自衛隊からSH-60K哨戒ヘリコプター「8436」、陸上自衛隊からOH-1観測ヘリコプター「32637」も参加しました。
午前の展示飛行では、天候調査も兼ねて8時40分に離陸したEC-1が9時30分からオープニングフライトとして初登場。その後、CH-47Jチヌーク輸送ヘリコプター、U-125・U-680A飛行点検機、T-4練習機が展示飛行を披露。午前のトリは、C-2・C-1輸送機とU-4多用途支援機の編隊飛行が行われました。
午後は、ブルーインパルスの展示飛行。ウォークダウンからウォークバックまで、一糸乱れぬ隊形や機動を披露し、観客からは大きな歓声と拍手が湧き上がりました。今回の展示飛行で注目されていたのは、今年になって練習が開始されていたと噂される新課目(復活課目)の「ループ&ボントン」が航空祭本番で初披露となるかどうか…です。「ループ&ボントン」は、6機編隊で縦に大きく円を描く「デルタループ」と、一斉にくるりと横転する「ボントンロール」を連続して行う、難易度の高い課目です。
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先月行われたエアフェスタ浜松(浜松基地)では天候が悪く実施が見送られていました。
ファンの期待が込められる中で迎えた入間基地航空祭。本番は文句なしの快晴!本当に久しぶりに1区分(垂直系の演目を含めアクロバット飛行を行う区分)が実施されることに。演目がすすみ会場の盛り上がりが高まる中、満を期して「ループ&ボントーーーン!!!」(会場ナレーションより)が、雲ひとつない空のもとでファンに初披露されたのでした。
このほか、1区分では大変めずらしく「ダブルロールバック」が実施されたのも今回の見どころのひとつです。通常3.4区分で行われる同課目が青空バックで目にすることができて、会場では大きな歓声があがっていました。
最後の展示飛行は、ラストフライトを向かえるC-1の31号機「18-1031」と30号機「08-1030」。最後の飛行を終えた後には、ウォーターアーチで43年間の任務をたたえられました。
15時の終了時間になると会場撤収も開始されますが、航空機を眺めることのできるエプロンの撤収は最後に行うようで、他の基地から参加した航空機の帰投まで楽しめました。入間基地の隊員のみなさんの心配りも感じる一日でした。
今年の入間航空祭は、新型コロナウイルスの影響による中止や制限を経て、5年ぶりに一般公開としての開催となりました。前日まで全国的に雨模様が続いていたものの、「晴れの特異日」とされる11月3日で、当日は文字通りの快晴。最高のコンディションで、盛りだくさんの航空祭でした。