航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)所属のC-1輸送機およびEC-1電子戦訓練機が、2025年3月8日に行われた基地一般開放に登場しました。
3月とは思えない寒さで、時おり雪がちらつくなか行われた同イベント。「半世紀の活躍に込めた想いをのせて」という基地メッセージのもとに、退役間近と言われているC-1の002号機(機体記号:28-1002)および、EC-1(機体記号:78-1021)の姿をひと目見ようと、航空ファンや家族連れなど約5,000人が来場しました。
地上展示されたC-1 002号機は、不死鳥“フェニックス”モチーフのスペシャルマーキングが施された特別な機体です。先月2月以降全国の空自基地へ行脚飛行する姿が目撃されていました。そして今月2日に行われた小牧基地(愛知県小牧市)オープンベースにもサプライズで登場しています。
また、「カモノハシ」の愛称で親しまれているEC-1は、性能や任務の特秘性から存在自体が謎に包まれ、航空祭などのイベントに姿を現すことはほとんどありませんでした。今回は満を期して公の場に登場です。
002号機のフェニックス塗装は、C-1は“永遠に飛び続ける”という隊員の想いでデザインされたのだとか。また、機体尾翼部分には美しく舞う桜吹雪が描かれています。この桜の花びら、枚数をしっかり数えると全部で51枚あります。「51」という数字にピンときた人はいますか?実はC-1の運用が開始された1974年から51年ということで、51枚の花びらが描かれているのだそう。
さらに、花びら一枚一枚をよく見ると、うち一枚に「I LOVE C-1」の文字が書かれているという隠れギミックが。機体にかなり近づいたとて、なかなか見えないほどの小さな小さな文字です。肉眼では気がつかず、望遠カメラで機体を撮影し、あとでパソコンで開いた時に「あっ!」と思った人もいたのではないでしょうか。「見つけてみよ」とばかりの遊び心に思わず笑みがもれました。
参加者がひと通り地上展示機を見てまわったころ、C-1とEC-1のシュミレートテイクオフ(地上滑走)が実施されました。RWY17から帰路した2機は、消防車両からの放水アーチをくぐり、来場者の拍手をあびて駐機。機体から降りた乗組員は整列し、深々と頭を下げる姿が見られました。
地上滑走を終えて駐機したC-1とEC-1の前で、この日最後に行われたのは「入間修武太鼓」による合同演奏会です。寒さをものともしない迫力ある演奏を披露し、基地開放イベントを締めくくりました。