“ミサイル役”もこなしたユニーク機体が退役 海自、U-36A訓練支援機の運用を終了

“ミサイル役”もこなしたユニーク機体が退役 海自、U-36A訓練支援機の運用を終了

ニュース画像 1枚目:U-36A イメージ
© FlyTeam hanatomo735さん
U-36A イメージ

海上自衛隊は、U-36A訓練支援機の運用を終了し、2025年3月10日に岩国航空基地にて退役式典を実施しました。

U-36Aは1987年に運用を開始した海自初のジェット機で、リアジェット36A型機から改修された機体です。電子兵器や標的曳航、テレビカメラ、ミサイルシーカーなどを搭載しており、おもに艦艇の訓練支援を担当。時には自身が“対艦ミサイル役”となり、艦艇の防御訓練を支援するというユニークな任務もこなしていました。海自では6機が導入され、全機が岩国基地に配備されたものの、1991年と2003年に発生した事故で「機体記号:9203」と「9202」の2機が失われています。

ニュース画像 1枚目:2003年の事故で抹消された「9202」
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2003年の事故で抹消された「9202」

空自・海自が開催する航空祭などのイベントにも度々登場しており、退役直前の3月2日には、「令和6年度小牧基地オープンベース」に参加、地上展示されています。

ニュース画像 2枚目:「小牧基地オープンベース」で展示されたU-36A
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「小牧基地オープンベース」で展示されたU-36A

防衛省は、2022年に閣議決定した「防衛力整備計画」にて、2027年度までにU-36Aや陸上自衛隊のAH-64D、AH-1戦闘ヘリコプター、航空自衛隊のU-125A救難捜索機などを廃止すると明記。これらの機体は順次無人機などに代替されていくことになり、今後さらに特有の任務をこなすユニークな機体は減少していきます。

期日: 2025/03/10まで
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