マレーシア航空グループは、マレーシア航空の単通路機材の更新を目的として、ボーイングとの間で737-8型機18機と737-10型機12機の確定発注契約を締結し、さらに30機分の追加発注オプションを設定したと発表しました。この契約は、ボーイングの受注・納入情報においては未公表の顧客として2025年1月に記載されていたものです。
今回の発注により、マレーシア航空は燃費性能に優れる新型機を導入し、座席数の増加と運航効率の向上を図るとともに、フルフラットシートの導入など機内サービスの刷新を進めます。737-8-MAXの運用柔軟性と737-10-MAXの座席収容力を活かし、旅客需要が増加し続ける東南アジア市場への対応力を強化する狙いがあります。
マレーシア航空は1969年に初の737-100型機を導入して以降、長年にわたり737型機を主力の単通路機材として運航しており、今回の発注で737ファミリーとの関係をさらに深める形となります。現在、マレーシア航空の保有機材には50機以上の737型機が含まれており、737MAXファミリーの新機材導入により、運航の共通性を確保しながら、燃料消費と排出量を20%削減することが可能としています。
ボーイングによれば、東南アジア地域では今後20年間で航空旅客数が3倍以上に増加し、航空機需要は約4,700機に達するとされており、そのうち約80%が737MAXも含まれる単通路機となる見通しとのことです。
なお、ボーイングはマレーシア国内に、自社初の東南アジア地域における全額出資の製造拠点「ボーイング・コンポジット・マレーシア」を設置しており、同施設では737MAXを含むすべてのボーイング民間機向けの複合材部品とサブアセンブリを製造しています。