太平洋航空博物館パールハーバーにB-17E「湿地帯の亡霊」が到着

太平洋航空博物館パールハーバーにB-17E「湿地帯の亡霊」が到着

太平洋航空博物館パールハーバーは2013年4月10日、ボーイングB-17Eフライング・フォートレス、製造番号「41-2446」が到着したと発表しました。別名「スワンプ・ゴースト」、湿地帯の亡霊として知られている機材で、オーストラリアのタウンズビルに配置されていたカンガルー飛行隊所属の爆撃機。

同博物館では今後、数年をかけて改修費500万ドルの寄付を募り、修復作業を経て格
納庫79で展示する計画です。

この機材は、1942年2月22日夜、艦船攻撃任務を受け、当時日本軍が占領していたニューブリテン島ラウバルへ向かい、その際の攻撃により、パプアニューギニアの北部海岸のアガイアンボ低湿地に不時着。9人の搭乗員はマラリア、疲労、熱中症と戦いながら湿地を脱出し、9人全員が基地に帰還しました。

その後、この機体は消息不明とされていましたが、1972年に機動演習中のオーストラリア兵が発見。機体が部分的に湿地に浸水していたことから「スワンプ・ゴースト」のニックネームが付けられました。

発見後、この機体は良好な状態で、フル装填された銃がそのまま残されていたほか、キャビンにはコーヒー入りとみられる水筒が残るなど、保存状態が良いことがわかり、アメリカへ取り戻すことが試みられました。ただし、当時はパプアニューギニア政府がその過程を中止させ、長年の交渉を経て2010年にアメリカへの返還が認められたものです。

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