全日空(ANA)などを傘下に収めるANAホールディングスは2013年10月30日、ANAグループの次期中期経営戦略の方向性を発表しました。
このうち、フルサービスキャリア(FSC)事業にあたる全日空(ANA)は2014年夏スケジュールから獲得する羽田国際線の発着枠拡大を契機として、首都圏国際線ネットワークの当面の完成型を構築する計画です。
ANAはイギリス、フランス、中国・北京、シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カナダにそれぞれ1枠、ドイツに2枠を獲得。これにより、現行の韓国、中国への8枠と中国行きで保留されている増枠分2枠、新たに加わる11枠で合計21枠、深夜早朝枠の5枠、計26枠に加え、航空交渉がまとまっていないアメリカ行きを加え、ネットワークを完成させます。
特に羽田発着の利点となる国内線との接続を重視し、首都圏のビジネス受領と地方発着需要の獲得を目指します。また、スターアライアンス、ユナイテッド航空やルフトハンザドイツ航空などとのジョイント・ベンチャーを活用したネットワークの確立を目指していく方針です。
国内線では新幹線との競争、格安航空会社(LCC)の参入による環境変化への対応、機材の柔軟な配置により収益性の確保と戦略的な運賃設定をめざします。国内線、国際線ともフルサービスキャリアとして、プロダクト、サービスの差別化をいっそう推進することが鍵になりそう。