運輸安全委員会、航空大学校帯広校の事故で安全勧告

運輸安全委員会、航空大学校帯広校の事故で安全勧告

航空大学校帯広校のビーチクラフトA36型、機体番号(レジ)「JA4215」が2011年7月28日に墜落した事故について、運輸安全委員会は報告書を取りまとめました。この事故機には教官2名、訓練生2名の4名が搭乗、うち訓練生1人が生存、保護されましたが、3名が死亡したもの。

この事故では訓練生が教官の指示通りに飛行し、山岳地帯に進入。山を覆う雲に接近、または入ったため機外目標を失ったもの。教官が意図を持って行われた可能性が考えられるものの、航空大学校の理念から離れ、管理職と現場との間で安全に対する意識のずれが生じ、不安全行動を見過ごしてしまう職場環境、組織風土という組織的な問題の可能性を報告書で指摘しています。このため、報告書とあわせ、国土交通相、航空大学校に対して勧告を発出しています。

勧告は航空大学校の訓練、安全風土、中期計画の見直しを求めています。有視界飛行方式下での訓練で、機内に設置したビデオカメラの活用など、効果的な方策の導入について検討する様に指示しているほか、安全管理体制について継続的な見直しに取り組むこと、中期計画と年度計画に指摘を適切に反映する見直すことを求めています。

あわせて国土交通相には監督機関として、航空大学校が設定した中期計画に基づき、各種安全対策が確実、継続的に実施されているか、定期的な実地検査などで確認し、結果に応じてさらに指導を行うことを求めています。

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