JAXA、超音速試験機の再試験を実施へ 7月後半にも試験フェーズ移行へ

JAXA、超音速試験機の再試験を実施へ 7月後半にも試験フェーズ移行へ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)航空事業本部は、低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)について、2014年7月22日から試験フェーズへの移行を目標に再試験を実施すると発表しました。2014年6月2日に開催された第43回航空科学技術委員会で、報告されました。

2013年8月にスウェーデンのエスレンジ実験場で実施した試験で、制御不能状態の異常飛行があり、調査・対策チームにより原因究明が行われていました。飛行異常の発生原因は「空力モデル不適切」「安定余裕不足」で、適切なエルロン操舵指令が与えられなかったなどと説明していました。

これを受け、JAXAでは誘導制御則の改修、チェック体制の強化に加え、確実な試験実施に向けた追加対策としてテレメデータの再点検、試験実施計画の再検討、リスクの洗い出しと識別の再見直しを行っています。

さらに再試験に向けた、新たにた取り組みとしてテレメトリ・データの総点検、現地に保管している外観検査、機器点検を行い健全であることを確認、試験実施計画の再検討、特別点検の実施、リスクの洗い出しと識別の再見直しを実施しました。さらに、メーカによるプログラムの改修・試験作業の完了を審査会で確認、現地作業は特別点検チームが独立した妥当性の評価を行うことなども追加しました。

今後は、過密なスケジュールになるものの、ソフトウェアを含む改修・試験を確実に実施し、 6月9日に改修完了、試験準備状況の確認の審査会を実施。さらに、現地で試験準備作業を6月中旬から開始、7月22日から試験フェーズへ移行を目標に進めるとしています。

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