エアバスは2014年6月4日、開発中の新型旅客機A350 XWBの初期長距離飛行試験が、良好な結果に終わったと発表しました。
A350 XWBはエアバスの新型旅客機で、ボーイングの787と対抗する機体です。2013年6月に初飛行し、2014年中の型式証明取得と運用開始に向けて、開発が進められています。
初期長距離飛行試験は6月2日から6月3日にかけて行われ、エアバスの社員や、エールフランスやルフトハンザの客室乗務員など、計500名が参加しました。
2013年6月に初飛行して以来、同機は飛行試験を繰り返してきましたが、機内環境の開発に専念するのは今回が初めてとなります。A350 XWBはまず6月2日にフランスのトゥールーズ・ブラニャック空港を離陸、パリ、オランダ、デンマーク、ノルウェイ、イギリスの上空を飛び、7時間後にトゥールーズに着陸。そして翌3日には、夜間に離陸し、フランス上空やイベリア半島、北ヨーロッパ大陸の上空を12時間に渡って飛び、再びトゥールーズに着陸しました。
今回の試験では、機内の防音性にはじまり、空調や照明、トイレの使い心地や機内の娯楽設備などが評価され、また客室乗務員によって機内食の調理設備も実際に試験されました。さらに人間工学の専門家によって、機内の目印などの見やすさ、分かりやすさも評価されました。結果は良好で、市場投入に向け、大きく弾みがついた形となりました。
A350 XWBのチーフ・エンジニアを務めるゴードン・マコーネル氏は「私は今回、A350 XWBに初めて乗客として乗りましたが、とても素晴らしく感じました。期待していたように、機内は広く、快適でした。私たちは素晴らしい製品を造り上げたと実感しました」と述べました。