オランダ安全委員会は2014年9月9日、マレーシア航空MH17便の撃墜事件について初期段階の報告書を発表しました。これによると、機体の777-200、機体記号(レジ)「9M-MRD」の技術的な故障の形跡は無く、運航乗務員の操作によるものでも無いと断言しましています。
この上で、機体が空中で破壊した原因は、外部から航空機に対して高エネルギーの複数の物体に起因した構造的な損傷としています。9M-MRDは、コクピットボイスレコーダー、フライトデータレコーダーの解析によると、協定世界時(UTC)で7月17日13時20分03秒まで通常通りに飛行しており、 突然終了していました。コクピットでの乗務員の会話は技術故障、緊急事態の兆候は全くなく、警告音を聞き取ることも出来ませんでした。
フライトデータレコーダーは警告もなく、エンジンも通常の動作を行っていました。また、航空管制側ではUTCで13時20分から13時22分02秒の間、航空機が緊急状態を発することも無く、問いかけにも応えませんでした。
地上の航空機の残骸は飛行中に機体が分裂したことを視察する形状だとしています。メンテナンスの履歴から、航空機の耐空性には問題がなく、飛行可能な状態にありました。ただし、機材の残骸については、その破片が多数の場所に穴が空いていることから高エネルギーの複数の物体が貫通し、航空機の構造が失われたとしています。
事故発生直後から、ブク地対空ミサイルが使用された説が有力視されていますが、報告書ではそうした点への指摘はなく、調査は引き続き航空機が分解した原因を特定する必要があるとしており、1年以内に報告書をまとめると述べるにとどめています。