2012年に大利根飛行場で発生した事故、機長の技量などが影響か

2012年に大利根飛行場で発生した事故、機長の技量などが影響か

運輸安全委員会は2012年8月18日、茨城県の大利根場外離着陸場でセスナ172ラム型が着陸時に滑走路を逸脱した事故について調査報告書を発表しました。機体番号(レジ)は「JA3814」で、運航者は個人です。

大利根場外離着陸場でタッチアンドゴーを行おうとした際、接地時にバウンドして着陸した後、滑走路を斜走し逸脱し、再度浮揚した時に、滑走路南側の草地で草刈りを行っていた複数の作業者のうちの1人に衝突し、作業者は亡くなられました。この機体には3名が搭乗し、機体は中破しましたが、火災は発生しせず、搭乗者に負傷者はいませんでした。

この機体が滑走路を逸脱した原因は、機長が進行方向を修正するため、左ラダー操作中に離陸のためスロットルレバーをフルパワーにしたことから、単発プロペラ機の特性で機首が左に偏向したものです。機長はこれを適切に修正できませんでした。

機首の偏向を適切に修正できなかった理由として、機長が着陸時にバウンドしたことから心理的動揺があり、時間的、心理的に余裕が少ない場合の状況下で適切な対応ができる技量が定着していなかった可能性を指摘しています。また、機体の重量、重心位置が運用限界を超え、機体の挙動や操縦性に影響を与えた可能性があるとしています。

この記事に関連するニュース
メニューを開く