ジャムコ、787向け内装品の増産と整備機数の増加で売上高増加

ジャムコ、787向け内装品の増産と整備機数の増加で売上高増加

航空機内装品や搭載機器の製造、航空機整備事業を行うジャムコは2015年5月11日、同社の2015年3月期決算で純利益47億9500万円と前期から20億7300万円増になったと発表しました。売上高は18.5%増の769億4400万円、営業利益58.2%増の67億8300万円、経常利益72.5%増の78億2700万円でした。

航空機内装品の製造関連では、787向け内装品の増産体制の構築を推進し、プレミアムクラスシートの「DoveTail」やA350向けカタログシート「Journey」と旅客用座席事業への本格参入を果たしました。ボーイングとは777X向けラバトリーの供給契約を締結し、将来への布石を打ちました。売上面では、787向け製品や航空会社向けギャレーの出荷増、スペアパーツ販売の増加、為替相場が円安に推移したことから外貨建売上高の増加などから、売上高は前期比121億9500万円増の631億500万円となりました。

航空機器製造関連では、防衛関連を中心とした熱交換器などの受注拡大、子会社での炭素繊維構造部材(ADP)、民間航空機エンジン部品の生産体制の定着と効率化を推進しました。ただし、主力製品の熱交換器の受注量で大幅な落ち込みが発生、CF34エンジン部品の需要も減少しました。このため、売上高は8億9700万円減の50億円となり、初回開発品によるコスト増から前期の経常利益2億3600万円から転じ、経常損失4億2400万円でした。なお、新たな品目として2015年1月にA380向け垂直尾翼用縦通材(ストリンガー)を完成部品として初めて売上げています。

航空機整備では、機体整備の受注活動を行い、整備機数が増加し、売上高は前期に比べ7億3100万円の増加となりました。操業度を上げ、前期に実施した機体整備と装備品整備の組織再編による生産効率の向上により、経常利益も増加し、売上高88億3800万円、経常利益1億4800万円増の25億200万円でした。 なお、国土交通省航空局が運用する飛行検査機の保守点検整備作業の拠点を、これまでの羽田空港から中部国際空港セントレアに移転しています。

2016年3月期は、787向け製品の増産対応を行い、ボーイングが設定している月産12機の安定供給に対応します。シート販売は本格化し、魅力的な製品開発を進め、777向け客室フロアーパネルの販売に向けた取組みを進めるとしています。航空機器製造では、熱交換器、民間機エンジン部品の受注が回復する見込みとしています。これらにより売上高は898億200万円と128億5700万円の増加、営業利益は89億5100万円で21億6700万円増、経常利益は86億4100万円と前期から8億1300万円の増加を見込んでいます。

メニューを開く