JAL、2014年9月の機体動揺で機上気象レーダーの特性・限界を周知

JAL、2014年9月の機体動揺で機上気象レーダーの特性・限界を周知

運輸安全委員会は、2014年9月12日に日本航空(JAL)のJL93便がソウル・金浦国際空港に降下中、機体動揺が発生し、客室乗務員が負傷した航空事故について2015年5月28日、報告書を発表しました。

乗客218名、機長はじめ乗務員11名、計230名が搭乗し、「JA654J」の767-300は羽田空港を15時50分に離陸しました。金浦国際空港へ向け降下していた17時33分、機体が動揺し、後部ギャレーで着陸準備の作業を進めていた客室乗務員1名が重傷を負い、そのほか客室乗務員4名、通訳2名が軽傷を負ったものです。

事故は、高度約16,000フィートを飛行中、気流の擾乱に遭遇して機体が大きく動揺したため、客室乗務員が浮き上がり天井にぶつかり、1名が背中から床に落ちて重傷を負ったものとしています。この気流の擾乱は、減衰した後に再び成長した対流雲により生じたと推定しています。

当時、機上気象レーダーのチルト設定をオートモードになっており、飛行方向の前方下に存在した成長初期の対流雲のエコーを十分に捉えられなかった可能性があると分析しています。

これを受け、JALでは運航乗務員に対し、機上気象レーダーの特性、限界について周知し、これを留意しながらベルトサイン点灯について注意喚起が行われています。

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