スクート、787の導入を進め日本路線の拡大めざす 南欧路線も視野に

スクート、787の導入を進め日本路線の拡大めざす 南欧路線も視野に

ニュース画像 1枚目:スクートのキャンベルCEO
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スクートのキャンベルCEO

シンガポールを拠点とする格安航空会社(LCC)のスクートは2016年2月16日(火) 、「シンガポール・エアショー2016」でボーイングと共同で会見、今後の方針などを明らかにしました。スクートは現在、787-9が6機、787-8が4機の計10機で、保有機全てを787としています。運航する全機材を787とした初めての航空会社でもあります。

スクートは2016年3月に同社11機目となる787-8を受領する予定で、その事業拡大の基調を継続します。すでにインドへの路線開設を申請しており、具体的な就航地名は明言しませんでしたが、3月から5月ごろの開設をめざします。

これにより、オーストラリア路線に加え、7都市に就航する中国路線、成田、関西に乗り入れる日本路線と、短距離から中・長距離を組み合わせたシンガポールから南北の路線網を整え、インドを加え、シンガポール航空から移管されるジェッダ線の中東とあわせ、西行きの路線網の展開を視野に入れます。

こうしたスクートの戦略をボーイングのマーケティング担当のランディ・ティンゼス・バイス・プレジデントは、「787は多くの大都市と中都市を結ぶ路線を含め370路線に投入されている。さらに日本の国内線のような短距離、アジアで見られる中距離、さらにユナイテッド航空が就航計画を発表したサンフランシスコ/シンガポール線など超長距離とあらゆる路線に対応できる」と、機材が短距離から長距離まで対応できる能力をアピールしました。

スクートではシンガポールを拠点に、当面の新機材の受領による増機でインド、中国に加え、日本では成田路線の増便や日本の新路線などに投入します。このうち、日本路線では、成田路線の増便をはじめ、新千歳と名古屋を候補に新路線の開設と、日本市場の拡大を目指しています。日本発のアウトバウンドに加え、東南アジアからのインバウンド需要も期待できることから、同社でのプライオリティも高いと見られます。このため、日本市場では「近く、大きな発表ができる」とキャンベルCEOは語っており、「日本の旅客にさらに喜んでいただきたい」と新路線や増便をめざし、弾みをつけたい考えを示しました。

さらなる就航地の拡大では、同社の787を最大離陸重量で運航する場合、西行きは787-9がロンドン・ヒースロー、787-8がフランクフルトに飛行でき、この航続距離で飛べる場所を検討するとしています。ただし、主要都市はすでにこれまでにフラッグキャリアが市場を築き、競争が激しいことから、南欧のリゾート路線の開設を目指し、マルセイユ、ニース、アテネなどを候補にあげている模様です。

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