統合幕僚監部は2021年4月26日(月)19時ごろ、中国海軍の空母「遼寧」を含む計6隻が太平洋から東シナ海へ向かい北上、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過したと発表しました。この6隻の艦艇が北上中の4月27日(火)午前、空母「遼寧」からZ-18早期警戒ヘリコプター1機が発艦、大正島領空の北東約50キロメートル(km)から約100kmの空域での飛行が確認され、航空自衛隊が戦闘機を緊急発進させて対応しました。この飛行による領空侵犯はありませんでした。
この中国海軍の空母をはじめとする艦艇の動きは、海上自衛隊第2護衛隊所属「あさひ(DD-119)」、第5航空群のP-3Cが情報収集・警戒監視を行いました。この6隻は4月3日(土)から4月4日(日)にかけても、東シナ海から太平洋に向けて宮古海峡を通過したことが確認されています。
空母「遼寧」を旗艦とする一団の構成は、空母「遼寧」、レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦2隻、ジャンカイⅡ級フリゲート1隻、フユ級高速戦闘支援艦1隻です。
なお、Z-18早期警戒ヘリコプターは、フランスのシュド・アビアシオン製のSA321シュペルフルロンを中国で生産したZ-8の発展型です。2014年12月に初飛行したとみられ、輸送機のZ-18A、魚雷やソノブイの装備に加えレーダーを搭載した哨戒機のZ-18F、早期警戒機のZ-18Jがあるとみられます。空自撮影の画像から、防衛省は飛行した機体を早期警戒ヘリコプターとみています。