グローバルホークとトライトン、日本に同時展開 5月中旬から

グローバルホークとトライトン、日本に同時展開 5月中旬から

ニュース画像 1枚目:2021年に日本初展開となるMQ-4C トライトン
© U.S. Air Force photo by Senior Airman Michael S. Murphy
2021年に日本初展開となるMQ-4C トライトン

アメリカ空軍のRQ-4グローバルホーク、アメリカ海軍のMQ-4Cトライトンが2021年5月中旬頃から約5カ月間にわたり、日本国内へ一時展開します。RQ-4はこれまでにも夏の時期に一時展開したことがありますが、MQ-4の日本展開は初めてです。

防衛省が2021年5月7日(金)付で発表しました。北朝鮮の「瀬取り」、中国海軍艦艇の太平洋での活動、中国海警部隊の尖閣諸島周辺での活動など周辺国の軍事活動・安全保障環境が厳しい中、情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動の重要性が一段と高まり、その能力を有するアメリカ軍との協力は極めて重要と説明しています。

ニュース画像 1枚目:2014年、三沢基地に初めて展開した際のRQ-4グローバルホーク
© U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Nathan Lipscomb
2014年、三沢基地に初めて展開した際のRQ-4グローバルホーク

グローバルホークの日本への移転は、2014年に始まりました。無人機が配備されているグアムが夏季に入り、台風など悪天候の影響を回避し、安定的な運用を確保するために必要不可欠な措置として、2014年以降は夏の時期に移転運用が実施されています。三沢と横田への無人機の同時展開が初めてとなる2021年は、トライトンが5月中旬頃から三沢基地、グローバルホークは5月下旬頃から横田基地でそれぞれ運用されます。

グローバルホークは、グアムのアンダーセン基地からリモートコントロールによる自律航行で運航されています。機体の日本への展開に合わせ、整備などを担当する約40名の隊員も派遣されています。2014年の三沢基地での運用は、民間機との共用空港で任務を行った最初のグローバルホークというマイルストーンを達成し、民間機が行き交う空域をリモートながらも、有人機と同様のルールで安全に操作・運航できることを実証しました。

ニュース画像 2枚目:2020年4月、アンダーセン基地で無人機2機種を先頭に実施されたエレファント・ウォーク
© U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Divine Cox
2020年4月、アンダーセン基地で無人機2機種を先頭に実施されたエレファント・ウォーク

RQ-4はノースロップ・グラマンが製造する無人機で、MQ-4はRQ-4をベースとした海軍向けの無人機で、主にP-8Aポセイドン哨戒機と組み合わせた運用が想定されています。RQ-4、MQ-4とも高高度からの監視活動を主な任務とする無人航空機で、滞空30時間超が可能です。RQ-4の初飛行は1998年2月で、2013年9月には10万飛行時間を達成しています。10万時間のうち88%がアメリカ空軍のRQ-4グローバルホークで記録、残り12%はNASAのグローバルホーク、ドイツのユーロホーク、アメリカ海軍のMQ-4トライトンなどでの飛行でした。

なお、航空自衛隊も三沢基地にグローバルホークを配備する計画です。この初号機は2021年4月15日(木)、カリフォルニア州パームデールで初飛行しています。

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