世界最後の飛行可能なロッキードS-3Bヴァイキング、ついに完全退役

世界最後の飛行可能なロッキードS-3Bヴァイキング、ついに完全退役

ニュース画像 1枚目:サンディエゴへ出発前のNASA ロッキードS-3Bバイキング
サンディエゴへ出発前のNASA ロッキードS-3Bバイキング

アメリカ航空宇宙局(NASA)が保有するS-3Bヴァイキングが2021年7月13日(火)、サンディエゴ国際空港に隣接するサンディエゴ航空宇宙博物館別館に到着し、最後のフライトを終えました。NASAでは、機体記号(レジ)「N601NA」として登録されていました。この機体は、世界で最後の飛行可能なヴァイキングで、その最後のフライトはクリーブランドを離陸、エルパソを経由し、サンディエゴに到着。6時間超のフライトでした。このヴァイキングは、サンディエゴ航空宇宙博物館に寄贈されており、今後は一般に展示公開されます。

ニュース画像 1枚目:クリーブランド・ホプキンス国際空港を離陸するS-3Bバイキング
クリーブランド・ホプキンス国際空港を離陸するS-3Bバイキング

S-3は1972年1月21日(金)に初飛行。アメリカ海軍の空母に艦載する対潜哨戒機S-2トラッカーの後継機として、1974年から導入が開始されました。途中から水上艦艇や地上目標を目標とする攻撃機、空中給油機としても運用され、2009年に艦載機としての運用を終えました。日本でも第5空母航空団(CVW-5)所属機として、厚木基地に配備されていました。

アメリカ海軍では2009年以降、第30試験・評価飛行隊(VX-30)にいくつかの機体が配備され、試験機として使用されていましたが、2016年1月11日(月)にラストフライトし、退役済みです。

S-3Bヴァイキング「N601NA」は、通信技術とその開発、極低温などの研究を手がけるNASAグレンリサーチセンターに所属。NASAが2004年に購入、2006年に研究目的のため搭載されていた兵装類はすべて取り外しされ、民間機のアビオニクス、GPS、衛星通信システムに載せ替え、通信関連の研究に用いられました。

ヴァイキングのNASAでの功績は、アメリカ連邦航空局(FAA)が無人航空機システムをアメリカの空域で安全に運用するため、その通信規格を定義した貢献があげられています。S-3Bの胴体下部は平らに作られており、さまざまなアンテナを取り付けでき、安定した飛行、低空をゆっくりとした速度で飛行できる性能により、地上局との通信も確認できました。

なお、NASAの通信技術とその開発分野は今後、T-34Aメンターで継続されます。

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